鋼材を扱っていると必ずこの質問を頂くことがあります。
高炉材と電炉材と呼ばれるものは鋼材を作る原料が違います。
高炉材とは
高炉で作られる鋼材は鉄鉱石を使って主に作られる鋼材です。
詳細にはコークスや石灰石などを一緒に入れて溶かしたりするのですが鉄鉱石から作る鋼材工場を高炉といいます。
電炉材とは
電炉というのはスクラップを溶かして鋼材を作られます。
電炉は鋼材のスクラップをかしてもう一度鋼材の形に成形して出荷するのです。
高炉と電炉では不純物の混合率が違う
自動車メーカーへの販売なども基本的には高炉メーカーがが行っており電磁鋼板や大量生産に対応しています。
鋼材の中に不純物が混じってしまい割れてしまう部分があったりします。
JIS範囲内の検査は行っているので許容範囲以内はクリアしていますが高炉と比べると不純物は混じってしまいます。
カーボンニュートラルへの取り組み
近年カーボンニュートラルという言葉を良く聞きます。
別名は脱炭素などと言い方をすることもあります。
現在高炉メーカーの二酸化炭素の排出量が問題になっています。
日本全国で排出する二酸化炭素の約30~40%が鉄鋼業界が排出されていると言われています。
その大半が高炉メーカーが排出しているのです。
高炉メーカーが電炉設備を新設するような取り組みも行っています。
高炉メーカーは鋼材の成分を微調整できるのが特徴ですが、電炉メーカーも技術がどんどん進化しており純度の高い鋼材を作り出すことが出来るようになっています。
二酸化炭素排出をゼロにする取り組みを日本国が行っているということは今後は電炉メーカーへの需要が多く求められるようになるでしょう。