鉄骨工事で使用される塗料は?

鉄骨工事では工場から出荷する際に錆止め塗装を施して現場に納品することが多いです。

溶融亜鉛メッキや耐火被覆(たいかひふく)などの際には工場で塗装はしない場合もあります。

今回は鉄骨工事で使われる塗料や塗装範囲などの解説をします。

目次

鉄骨加工で使わる塗料

鉄工所で使っている塗料は基本的にJISk5674(ジスケー5674)という鉛・クロムフリーの塗料を使用しています。

一昔前は鉛・クロム化合物が入っているJISk5621(ジスケー5621)という品番が主流でしたが噴霧した際に人間が吸い込むことによって人体の健康に影響があることがわかり、JISk5674に変更移行していきました。

今ではほぼ全てがJISk5674を使うようになっています。

塗料の色

鉄骨工事では赤錆塗装をして出荷するのが多いです。

近年ではグレー色も多くなっており、建設会社全体でグレー色を指定している会社もあるそうです。

JISk5674赤錆、JISk5674グレー、JISk5674ダークグレーなど品番に対して色の種類があることを覚えておきましょう。

尚塗料メーカーによっても色が若干違い、塗料が途中で無くなってしまったのでメーカーの違う塗料を使って、見た目がツートンカラーになってしまってクレームになったなどの事例も発生しています。

赤錆であればメーカーが変わっても見た目ではほとんどわからないような仕様になっています。

しかしグレー色になるとメーカーによってはグレー色、とダークグレー色ではグレー色が薄かったり、逆にダークグレーの方が薄かったりと様々あるのでしっかり色味を確認して塗料を選びましょう。

指定色の塗装がある

図面にはJISlk5674を使用するとだけしか書いていないので後から塗料を指定しされる場合もあります。

メーカーや変わった色になれば塗料缶がやけに高かったり、塗装手間が多くかかったりすることもある為、注意しておきましょう。

塗装の方法

塗装方法は鉄工所ごとで変わりますがエアレスで吹き付けと刷毛、ローラーで塗ることが多いです。

エアレス吹き付け塗装

エアレス吹き付けは塗料を噴霧させて付着させていく作業になります。

水が出る蛇口の水圧を強くしてホースの口を指で塞ぐようにすると霧状な水が出てくるような原理で塗料を出して塗布していく方法になります。

作業性も良く、広範囲に塗ることが可能です。

しかし塗料の飛散などで近隣住民からのクレームなどがあり、エアレス吹き付け塗装が出来ないなどのデメリットがあります。

鉄工所は基本的にはこのエア吹き付け塗装を行います。

刷毛・ローラー塗装

刷毛やローラーで塗る作業は人員が必要になります。

刷毛やローラーで塗る場合には作業工程が多くなるものの塗料の膜厚や塗りムラは無くなるます。

鉄骨が大きくなればなるほど手間がかかってしまうのがデメリットになります。

鉄骨材の塗装をしない部分

耐火被覆を呼ばれる火災から鉄骨を守る材料を塗る場合には塗装は行いません。
塗装をしてしまうと耐火被覆の材料が塗料があることでしっかり付着しなくなる為です。

スプライスプレートやガセットプレートなどでジョイントをする部分も塗装は行いません。
これは摩擦面がしっかり確保できなくなる為です。

鉄骨塗装はあくまでもサービス塗装

どれだけ塗装をしていても鉄骨を建てる際にワイヤーやクランプで吊った場合には塗装が少しはがれてしまいます。

その場合には塗装業者で仕上げ塗装を行ってもらうようにします。

この仕上げ塗装は建設会社が鉄骨が建て終わった後に業者に委託して行ってもらいます。

工場などの鉄骨がむき出しになる場合には塗装が剥げていると見た目が悪くなってしまうのでしっかり業者を入れて塗装をしてもらうようにしましょう。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 錆止めの塗装方法について
    殆どの項目で大変参考にさせて頂いていますが、このエア塗装という表現だけは間違っていると思います。
    「エアレス塗装」がfabで使っている標準的な塗装方法で、塗料そのものに圧力をかけてガン先から吐出する方法です。よってエアーは使いません。
    尚、ご参考までにですが、エアーで塗料を霧化して塗装する方法も確かにあります。が、それは、自動車の板金塗装業者等が使う工法で、もっと小面積に対して、薄膜で綺麗に仕上げる必要がある場合に使う塗装方法です。
    ご確認頂けました幸いです。

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