鉄骨工事では地面と柱を繋ぐアンカーボルトがあります。
このアンカーボルトはコンクリート部分と構造物をしっかり固定させる役割があります。
今回はアンカーボルトについて解説してきます。
アンカーボルトとは
このアンカーボルトは柱脚部分に設置して鉄筋を組んだあとにコンクリートを流し込んでいきます。
コンクリート流し込む際にアンカーボルトがズレないようにしっかり固定させる必要があります。
この固定させる部分を柱脚工事(ちゅうきゃくこうじ)といいます。
アンカーボルトの材質と形状
アンカーボルトに建築構造用圧延棒鋼と呼ばれるものを使用します。
L型やJ型といったアンカーボルトは間柱などに利用されます。
この間柱部分は柱脚と呼ばれるフレームを組むことは無く簡易的に設置を行うことが多いです。
鉄骨工事では基本的にI型のアンカーボルトを使用します。
このI型はには本柱に利用することが多く、柱脚のフレームにセットします。
I型のアンカーボルトを使用する際にはコンクリートに埋まる部分に定着板と言われる鉄板を装着して設置します。
転造(てんぞう)ネジと切削(せっさく)ネジ
図面などにアンカーボルトの表記にABRやABMと言った表記があります。
これは転造ネジと切削ネジの違いです。
- ABR=転造ネジ
- ABM=切削ネジ
➊転造ネジ
転造ネジとはネジ山の部分を金型を押し当てて塑性変形(そせいへんけい)させて成形してく制作方法になります。
要するに丸鋼を変形させて作ったネジ山のことを転造ネジと言います。
➋切削ネジ
切削ネジとは丸鋼にネジ山を削って突起を出して成形していく方法になります。
転造ネジは削っていない分強くなるのはなんとなくわかりますよね?
最近の図面などにはABRという表記が多く、転造ネジを納入することが多いです。
後施工アンカーボルトとは
コンクリート打設が終わったあとに固定させたいものなどがあった場合には固まったコンクリートにハンマードリルで穴を空けて粉塵をしっかり除去してその後に様々種類で固定するアンカーボルトも存在します。
- ケミカルアンカー
- 打ち込みアンカー
- 溶接アンカー
➊ケミカルアンカー
ケミカルアンカーはドリル穴に樹脂が入った容器を入れて寸切りボルトを打ち込むことで溶剤が出てきて化学反応を起こして固まらせることでボルトを固定させるアンカーボルトです。
ケミカルアンカーは正式には接着系アンカーと呼ばれるのですがほとんどの人がケミカルアンカーと呼ぶのでこの名前が共通で使われています。
➋打ち込みアンカー
打ち込みアンカーはアンカーの中心に突起がありその部分をハンマーで叩くと穴に差し込んだ部分が膨らんで穴に固定されるものです。
➌溶接アンカー
溶接アンカーは打ち込みアンカー同様に埋め込み部分が膨らんで固定して出ている部分にはネジ部分が無く、溶接するたして固定させるためのアンカーボルトです。
鉄骨工事で間柱などのアンカーボルト位置などが間違っていた場合などにはケミカルアンカーと使って固定させたりすることもあります。
腰壁の第一胴縁などの固定には溶接アンカーを用いてブレ止めにすしたりします。
他にも様々なアンカーボルトがありますが鉄骨工事に使用する後施工アンカーは概ねこの3種類がメインです。
まとめ
形状にも様々な形があり既製品の柱脚に使われるアンカーボルトになると柱サイズによって決まったボルト径があります。
地面と建物のジョイント部分で大切なものなのですがコンクリートに埋めて固定させるため間違ったりすると大変なことになります。
注文間違いなどが無いようにしっかり確認して取り付けるようにしましょう。
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