鉄骨工事の人工(にんく)とは

人工(にんく)とは作業員が1日に作業した人件費のことを言います。

1日に1人が作業して1人工
2人が半日作業して1人工

2人が1日作業し2人工
1人が2日作業しても2人工

工事現場では作業員に来てもらいやってほしい作業を一区切り終わらせるまでにかかる作業員の費用を人工によって割り出して見積もりや請求金額の換算を行います。

目次

鉄骨工事現場での1人工の費用

建築現場では様々な内容の工事が行われておりその作業内容によって1人工の金額が異なってきます。

鉄骨工事でいえば基本的に1人工あたり25000円~30000万円くらいになることが多いです。

これは土地柄でも違い、田舎の賃金が安い地域での鉄骨工事に携わる人であれば1人工あたり18000円程度になることもあります。

逆に都会で賃金が高い地域になれば家賃や物価も違う為、30000円以上になることもあります。

請負(うけおい)と常用(じょうよう)

請負(うけおい)

請負というのは決められた作業を最初に取り決めした金額で請け負って工事作業を行うことを言います。

請負は一定金額なので作業が早く終われば終わるほど儲けが出て、次の現場仕事に行くことができ、月々の利益を多くだすことができます。

その反面、作業が遅くて日数が多くかかってしまうと支払う給料などが嵩んで赤字になる可能性もあります。

常用(じょうよう)

常用というのは先ほど説明した1人工の工数で換算する方法です。

常用は何日かかろうともかかった工数×人工賃で請求をすることができます。

その反面現場に入った人工賃なので多く賃金を請求できることは無いので大きな利益をだすのは厳しくなります。

出来る作業によって金額が変わる

溶接資格などのいる現場溶接などは誰でもできるわけではなく、限られた人間しか出来ない場合には金額はもちろん跳ね上がります。

AW検定(えーだぶりゅーけんてい)という資格はとくに難しく、この資格をもっている人でないと出来ない溶接などは1人工が4万~6万くらいになったりもします。

逆にアルバイトでもできる単純作業などで軽作業であれば1人工が12000円程度になることも多々あります。

このように資格などによる人の希少価値で1人工の金額が変わったりもします。

しかも建築業界は景気に左右されやすく需要と供給のバランスで相場がすぐに変わります。

建築業界が忙しく作業員が集まらない場合には1人工の金額が高くなり、逆に業界が閑散としている場合には金額が安くなってしまいます。

鉄骨工事の作業員がいなければ鉄骨は建っていかないし、1人では到底できる作業ではないので何人もの鳶職人で建てていかないといけません。

人間なので多く金額を出してもらえる現場に優先的に人が流れていき安い現場には人が行こうとしません。

これでは工事現場も進めることが困難になってしまうのである程度その時期の相場に見合った賃金の支払いをしないといけません。

1人が半日仕事で0.5人工になり、会社からは半日分の給料しかもらえないといったこともよくあります。

しかし会社は半日で作業が終わったとしても1人工の金額は必ず請求します。

半日で作業が終わったとしても他現場にすぐに移動して作業が出来る可能性は少ないからです。

常に近くの現場があればいいのですが移動時間なども考えると会社として0.5人工では到底金額が足りません。

どんなに少ない作業であっても鉄骨工事では1人が現場に行くことで1人工の金額がかかることを覚えておきましょう。

作業が少なかったので常に金額を値切った支払いをしていると協力してもらえる作業員がいなくなるので工期や工程に支障がくる可能性があり後々トラブルになりやすい為、しっかりした賃金は支払うようにしましょう。

まとめ

昨今建築現場では人手不足が深刻な問題になっています。

建築バブルの時代には3Kといい、きつい、汚い、危険の頭文字をとった職業でした。

賃金も多く、3Kだが稼げる職業でしたが、現代ではなかなか稼ぐことも厳しくなっており、成り手がいなくなっているのが現状です。

人工賃というのは時代によって変動します。

今後は少子化によってますます作業員は少なくなってくるのが容易に考えられます。

1人工あたりの金額のおおよそを把握しておいて、見積りや請求などの交渉に役立てましょう。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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