鉄骨工事の梁の呼び方や種類

鉄骨工事には基本的に柱と梁が存在します。

この部材をプレモデルのように組み立てていって建物の骨組みが完成します。

今回はこの梁について解説していきます。

目次

大梁(おおばり)とは

大梁とは建物の柱に接合してある建物の中で大きな梁のことをいいます。

この大梁は柱に直接チカラがかかり建物全体の荷重を支える大元の土台となるメインの梁です。

大梁はG梁(じーばり)といった呼ばれ方もします。

これはGarter(ガーター)の頭文字をとってつけられており図面表記などには「G○○」といった記号で表記されていることが多いです。

大梁は剛接合と呼ばれるジョイント方法で接合されているのが通常で、スプライスプレートをウェブ面とフランジ面に充てて高力ボルトでジョイントしていきます。

小梁(こばり)とは

小梁とは大梁同士を繋いでいる梁のことです。

大梁だけでは梁同士の間に距離がありすぎて屋根を被せる場合や数階建てであればコンクリートスラブを打つ場合などに上の荷重に耐えられなくなってしまう為、小梁を設けます。

小梁はb梁(びーばり)といった呼ばれ方もします。

これはBeam(ビーム)の頭文字をとってつけられており図面表記などには「b○○」といった記号で表記されていることが多いです。

小梁の特徴としては大梁にガセットプレートと呼ばれるプレート溶接しておいて小梁のウェブ面のみに穴あけを行い高力ボルトでピン接合と呼ばれる方法でジョイントしていきます。

孫梁(まごばり)とは

この小梁同士を繋ぐ梁を孫梁といいます。

大型案件では孫梁もH形鋼を使用することが多いですが中小物件に関しては孫梁はチャンネルなどを使ってジョイントしていくことが多いです。

この孫梁も小梁同様で梁の座屈(撓み)を抑える為に設けられる梁になります。

孫梁は基本的に小梁と同じ扱いになり、特殊な表記はされていません。

基本的にはb梁の表記で記載されており、電話などで話す場合にわかりやすいように小梁を繋いている梁を孫梁と呼んだりすることがあります。

片持ち梁(かたもちばり)とは

片持ち梁とは片方だけ本体と接合している柱になります。

梁は必ず両側にジョイントがありその重みを両端で受ける構造になっているものが多いですが片持ち梁は片方の端側で重さを支える梁です。

本体から庇やバルコニーなどを設置する為にはこの片持ち梁を使用します。

表記としてはCGやCBといった表記がされており、これはCantilever(キャンチレバー)の頭文字とってCが最初につけられています。

CGは片持ち梁の大梁〈Cantilever Garterの略〉
CBは片持ち梁の小梁〈Cantilever Beamの略〉
ジョイント方法によって変わってきます。

耐風梁(たいふうばり)とは

耐風梁は風を横方受けても変形しないようにするための下地です。

H形鋼を通常の形ではなく横にして使っているのが特徴です。

最近では胴縁の受け材として梁のちょっと下くらいの柱間に通してあることが多いです。

耐風梁の上記はHbといった表記がされており、正式なスペルはわかっていませんがハイレンビームの略といった説もあったりHを横にして使う為、Hを強調してあるといった説もあります。

まとめ

鉄骨工事の梁といっても様々な用途の梁があり、基本的には大梁と小梁から形成されています。

図面などを見る際に大梁のサイズが比較的大きくて、小梁になると大梁よりは小さい梁になるのはわかったと思います。

この略語などをしっているだけで会話の種になったり、顧客などからはしっかり勉強してると思われることもあるので知識として持っておくのは悪くないでしょう。

鉄骨工事には梁は必ず必要となる為、打ち合わせには必ず出てくる用語なのでしっかり覚えておきましょう。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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