スタッドジベル溶接施工に必要なフェルールとは

鉄骨工事を行う上で複数の階数があった場合には建物とコンクリートを一体化させる為にスタッドジベル溶接を行います。

スタッドジベルは工事規模が大きければ大きい程その本数もものすごいものになってきます。

何千本や何万本ものスタッドジベルの施工を行わないといけない現場が多々あります。

スタッドジベルの本数は全体のton数に×30本でおおよその本数がでます。
全体鉄骨500ton×30本=1500本程度のスタッド

そんなスタッドを溶接する際にフェルールと呼ばれる物と一緒に溶接作業を行っていきます。

今回はこのフェルールがどのような役割をしているのか解説していきます。

目次

フェルールとは

アークスタッドジベル溶接をする際に溶接部分に磁器の円形の輪っかを付けて溶接します。

磁器の製品というのは水分をほどんど含んでいない陶器のようなもので出来ておりフェルールはそれで作られています。

フェルールの役割

  • 溶接箇所をすぐに空気に触れさせない
  • 冷却温度を緩やかにする
  • 溶接箇所を綺麗に円形にする
  • 光を遮断して目を保護する

フェルールあることで溶接箇所をすぐに空気に触れさせないことで空気との反応を防ぐことができます。

また溶接熱を逃がさない為、溶接箇所の冷却温度を緩やかにする役割があります。

フェルールがあることでスタッドジベルの溶接箇所(カラー)部分を丸く綺麗にする役割を果たします。

アーク溶接というのは光を発しており、その光を見ることで目に悪い影響をもたらしますが光を遮断する役割も担っています。

フェルールは施工後には撤去を行う

スタッド溶接が終わって溶接箇所が冷え固まったらフェルールを回収して施工完了となります。

フェルールは水分をほとんど含んでいない為、小さいハンマーなどで軽くたたくことで割れて回収することができます。

本数が多くなると回収する時間も多くかかる為、硬すぎず、柔すぎないフェルールが良いそうです。

フェルールにも製造メーカーがあり、そのメーカーによって硬さやが違うと言います。

磁器で出来ている為、硬すぎると割れた破片が多くなる為、なんども拾い上げる作業が発生してしまいます。

また柔すぎるとなかなか割れないのでハンマーで何度も叩かないといけなくなります。

回収作業だけでも数万本のスタッド溶接を行っていればその本数分のフェルールを回収しなければいけないのでかなりの労力と時間になってしまいます。

フェルールはハンマーで軽く叩くと半分に割れて回収のしやすいものが好まれるそうです。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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