鉄骨加工に使うアトラとは

鋼材を加工する場合や施工する場合には様々な工具を使用します。

工場で加工する際にも機械や工具を使って加工を行います。

今回はアトラについて解説していきます。

目次

アトラとは

アトラとはハンディタイプで持ち運びができる孔明けする工具です。

今の時代は機械が発達しており、鉄板であればレーザーやプラズマで孔明けを行ったり、鋼材の形鋼などは大きなドリルマシンなどを使用してパソコンにデータ入力することで自動的に孔明けをすることができます。

しかし加工をする上で孔位置が決まらなかったり、加工後に孔明けを行い、施工時に滞りなく施工を行うといった現場の判断もあります。

加工は進めなくてはいけないのに後から孔明けを行うのは機械にもセットすることが不可能だったりするのでそんな時にアトラで孔明けを行います。

また機械が故障してしまった場合は工場で何もしないわけにはいかないのでアトラで加工を行って機械の修理を待っている場合などもあります。

鋼材を持ち運ぶより、ハンディタイプのアトラを持ち運んだ方が効率がよく、鉄工所には必ず置いてある機械です。

アトラの使い方

アトラは鋼材に孔明けを行う場所にマーカーやポンチを呼ばれる印を打ってアトラをセットしていきます。

ドリルの真ん中にパイロットピンと言う孔の中心を狙うピンがあるので中心をパイロットピンにセットしてドリルを下ろしていきます。

アトラの固定は磁器が付いておりしっかり固定することが出来るので孔がズレないようにしっかりドリルを下すことができます。

ドリルを下す際には人力で下していきます。

作業を早くしたいとあまり強く下してしまうとドリルが止まってしまい何度も上げ下げを行うことになります。

逆にチカラが弱いと一つの孔明けに時間がかかってしまい作業効率が悪くなります。

建築鉄骨の孔明けというのは1つや2つのレベルでは済まない数あります。

作業性も考慮して使っていくのがオススメです。

アトラの呼び方

アトラと言ってもメーカーによって呼び方は様々です。

磁器孔明け機
携帯用ボール盤
ブローチカッター
マグドリル

などなど様々な呼び方で販売されています。

ボール盤などは固定されたドリル孔明け専用の機械なので携帯用と付いています。

このような呼び方をしていたとしても鉄工所や機械を扱う人たちは総称して「アトラ」と呼ぶ事が多いです。

一応しっておいて孔明けの機械なんだと認識しておきましょう。

一昔前は全てアトラで孔明けをしていた

20年~30年前までの町工場は加工する場所は確保できたが機械は高価で買えない人が多く切断機のみ購入して孔明けはアトラで全て明けている鉄工所が多かったです。

胴縁製作をする場合にはC形鋼や角パイプなどに相当数の孔開けを行い出荷していました。

現代では切断と孔明けが一緒になった複合機と呼ばれる機械やビームワーカーといったC形鋼を短時間で切断孔明けを行う機械なども販売されています。

また鋼材店などが機械を購入して一次加工まで行って鉄工所へ納品することなども増えてきました。

胴縁のみを専門で行う会社などもあり細分化して制作を行うような風潮になっています。

まとめ

アトラは持ち運びをしやすいドリル孔明けの機械です。

近年ではアトラを使うことが少なくなっており、据え付けの機械などで孔明けを行うことが増えてきました。

図面などが早くに決まり変更がない場合にはアトラを使うことがほとんど無くドリルマシンなどの機械で孔明けを行い加工していきますが急な変更などがあった場合には使用することが多いです。

アトラは鉄骨加工を行う人であれば誰でも知っている工具ですが現場などにではあまり見かけないので名前だけでも知っておきましょう。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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