鉄骨工事では本体鉄骨と別に付帯工事と呼ばれる部分にブドウ棚と呼ばれる箇所が存在します。
このブドウ棚は外壁を貼るための下地胴縁と並ぶくらいの数量があり、見積り時点で入っているか否かで金額にもものすごく影響を及ぼす工種です。
今回はブドウ棚とは何なのかを解説していきます。
ブドウ棚とは
ブドウ棚は天井の梁からC形鋼や角パイプなどで下へ吊るしてその後平行方向にC形鋼を天井のスパンごとに床面積を同じ分ぐらいを這わせていくものになります。
ブドウ棚を設ける理由は梁下から天井までの距離が少しあって空間が必要な場合などに設けられます。
オフィスなどの空調ダクトや配線などが通ったりする場所としてもその空間を使う為ブドウ棚を設けて天井を貼ります。
軽天受けとブドウ棚はどのように違う?
天井を付ける為の下地は軽天受けと呼ぶ人もいます。
一方ブドウ棚は梁下から少し距離があり、空間がある為天井梁から吊り下げて四角に組んであります。
このように梁から吊るしてあるものかどうかで呼び名を変えています。
しかし鳶職人やゼネコンはブドウ棚であろうと軽天受けであろうと全てを総称し軽天(けいてん)や天吊り(てんつり)と呼んだりするので安易に判断せずに確認して施工などは打ち合わせを行いましょう。
ブドウ棚の由来
本体葡萄というのはそのまま育てていると地面に着いてしまい動物が食べたり、害虫が付いてしまい葡萄の価値が無くなってしまう為、人間の背丈より少し高い位置につるが伸びやすい棚を作って栽培しています。
この葡萄を作る施設と似たような作りの為このような名前が付いた説。
庭先に格子状になっている屋根があり、その屋根部分に植物のつるを這わせて日陰を作って緑を楽しみながらくつろげるといったイタリア語でパーゴラが語源のものだという説。
元々歌舞伎用語の簀の子(すのこ)と呼ばれる舞台の真上に格子状になっている設備がありそこから散り花や紙吹雪などを降らせたりする場所を京都や大阪では葡萄棚と呼ぶ事からその名前が付いたという説。
このようにブドウ棚の由来は諸説あり、どれが有力かはわかりませんがブドウ棚と言うくらいなので葡萄を栽培する方法と良くにていると覚えておくのがい一番いいと思います。
ブドウ棚は見積りで見落としがち
しかもブドウ棚というのは現場で違いますが構造体を建てる際に取り付けて建てる場合と天井と取り付ける前にブドウ棚を取り付ける場合などがあるので注意しておきましょう。
軽天受けであれば梁を上げる際に軽天受けを取り付けて梁をクレーンで上げることで一気に取りついてしまいますがブドウ棚になると吊材から天井受けが伸びている為取り付けにも少し時間と手間がかかります。
まとめ
建物でオフィスや店舗などで屋根部分が高く室内の天井から距離がある場合にはブドウ棚が必ずつきます。
ブドウ棚は胴縁同様に金額が張る部分になります。
ゼネコンや鳶職人などでもブドウ棚と呼ばずに天吊り(てんつり)と呼んだり軽天(けいてん)と呼んだりする場合があるので梁に直接付く天井受けなのかそれとも梁から吊材を出す天井受けなのかで呼び方が変わり施工の仕方も変わる為注意しておきましょう。
ブドウ棚は葡萄を栽培する場合にこのような横に格子状に這わせる為よく似ているので覚えておくと言われたときに頭に浮かびやすいでしょう。
見積りでは見落としがちなのでブドウ棚があるのか無いのかをしっかりチェックして工事に着手しましょう。
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