鉄骨工事を行っていれば壁の下地が追加になったり鋼材部分を切断してほしいなどゼネコンから様々な要求が出てきます。
建物を施主の要求通りに仕上げる為にも追加の鍛冶工事は発生します。
その際には必ずといっていい程溶接作業が欠かせません。
しかも鉄骨工事段階ではなく屋根や壁を張ったあとに下地が必要になったなどの溶接作業が出てきます。
そんなときには養生をしっかり行い溶接を行うのですが養生も出来る範囲が限られてしまいます。
そんな時に溶接の火の粉を下に落ちないようにする為のアイテムの火雨守(こうもり)をご紹介します。
火雨守(こうもり)とは
火雨守(こうもり)とは溶接の火の粉を受け止めて下に落ちるのを防ぐ工具です。
火の粉を受ける部分はスパッタシートで覆われており、ぶら下げた一番下の部分には溶接くずを集めて捨てる為のカップが付いており外して容易に捨てることができます。
開いた時の大きさは縦70cm、幅90cmの大きさになっています。
取り付けた際に洞窟などにいる蝙蝠(こうもり)ととても似ていて覚えやすいですね。
この製品を使うと溶接火の粉が下に落ちずに済みます。
火雨守(こうもり)が活躍する場所
この製品は高層階などで溶接作業を行う際に火の粉が落ちるのを防ぐのにとても便利です。
鉄骨工事以外にも外壁やサッシ工事などが施工を行っている場合などには上下作業になってしまうことあります。
安全の観点から上下作業はやらないように打ち合わせしないといけませんが各業者施工を終わらせないといけないのでどうしても上下作業を行わざるを得ない状況が発生したりします。
しかも上階での溶接作業になると足場の隙間から溶接の火の粉が落ちてきて作業が全然出来ない場合などがあります。
その上外壁やガラスなどが下の階に入っている場合には養生を行って溶接作業をするにもものすごく養生自体に時間がかかり作業が進まない可能性があります。
そんな時にはこの製品を使うことで極力火の粉が下に落ちるのを抑えることが出来ます。
火雨守(こうもり)のメリット、デメリット
メリット
火花の落下防止
安全管理がしやすい
設置が簡単
持ち運びが楽
デメリット
カバー範囲が限られる
強風に弱い
視界の邪魔になることがある
完璧には防火対策にはならない
メリット
火花の落下防止
高所の溶接作業にて火の粉が他の業者の作業員や建築資材を焼いて焦がしてししまったり、仕上げてある壁などを火の粉で焼いて取り換えなどのリスクを大幅低減できます。
安全管理がしやすい
広い範囲で防炎シート養生などを行って養生作業に手間を取られて肝心の溶接作業がほとんど出来ずに作業効率が悪くなって工期に支障をきたす場合などがあるが火雨守を使うことでピンポイントで養生が出来て作業効率が格段に良くなる。
設置が簡単
溶接は鋼材に溶接を行う作業なので鉄部分が必ず出ているため、マグネットやチェーンなどを足場や鉄骨に素早く取り付けて作業を行うことができます。
持ち運びが楽
傘のように折りたたんで専用バックに入れて持ち運べるので足場で狭い場所を通る際などにも邪魔にならないで移動できます。とても軽く持ち運ぶのに億劫にならずに済みます。
デメリット
カバー範囲が限られる
溶接は火の粉が広範囲に飛び散って完全に予測するのは不可能になり、幅も90cmまでの範囲しか養生できないためどうしても大きく飛び散る火の粉を完全に防ぐのは厳しいです。
強風に弱い
高所の作業で風養生がしてある場所では大活躍しますが火雨守はぶら下げて使う道具なので強風が吹き荒れる場所での溶接作業になると風に煽られて本来の機能が失われてしまう可能性があります。
視界の邪魔になることがある
大きな傘状のものなので狭い場所での作業でかつ火雨守を設置して作業を行う場合には作業員の動きに制限がかかってしまったり視界が遮られて養生してはいるが肝心の溶接作業に不良が生じる場合があります。
完璧には防火対策にはならない
火雨守を使って溶接しても範囲が限られている為、他を養生しなくていいわけではない。あくまでも防火対策の補助的役割になるので、もしも可燃物が近くにあった場合や焦げたりするものがある場合には防炎シートで養生をおこなったり消火器やバケツに水を汲んでおくなど防火対策は必須になることが覚えておきましょう。