鉄骨工事では施工性や耐久性、製作のしやすさなどの様々な商品が開発されています。
設計事務所やゼネコンによってどのような商品を使うかは担当者の好みなどによっても変わってきます。
前回ブログで紹介した豆ボルトとはどのような物かは分かっていますか?
豆ボルトと一言でいっても座金やスプリングワッシャーなどが何枚付けるかは様々です。
緩み防止は付けますが何枚も付けるとなると施工性としても手間がその分かかってしまします。
そんな時にはDロックという商品を使うととても施工性が良くなります。
今回はその豆ボルトのDロックとはどのようなものかをご紹介します。

Dロックとは

ボルト側には平座金、ナット側には皿ばね座金があらかじめ組み込まれているため、一般的なボルトのように座金やスプリングワッシャーを一つずつ取り付ける必要がありません。
部品点数が少ないため施工性がよく、座金などの入れ忘れや落下・紛失を防ぎやすいのが特徴です。
また、ナット側の皿ばね座金によって、ナットの戻り止め効果を持たせています。
あらかじめ2ピースの構造になっていて施工がとてもしやすくさらに座金がナットに付いているのと同じ構造なので座金を入れてナットを付ける手間が無くとても便利な商品です。
ボルト製造メーカー株式会社トーネジが開発した商品です。
DロックのDはローマ字で「DOBUCHI」(どうぶち)の頭文字を取って付けられました。
D-Lockという表記で使われるのがほとんどです。
Dロックを使うメリット

- 高い「戻り止め(緩み止め)」効果がある
- 部品の落下や紛失を防ぐ(高所作業でも安全)
- 取り付けスピードが格段に上がり、施工コストや工期短縮になる
- 付け忘れなどの施工ミスを防ぐ
Dロックにはゆるみ止め効果で強い耐振動性能を持っているのに施工が簡単だという点です。
振動テストでは従来の丸座金やスプリングワッシャーよりも高い締付け軸力を維持できることが実証されています。
部品が少ないことでまず紛失することがほどんど無く施工性に優れています。
胴縁のボルトはボルトを差し込む際にナット、座金、スプリングワッシャーを外してボルトを指した後にまたその三つを取り付ける作業をかなりの数量行います。
胴縁は壁や天井になりもちろん手袋もハメて作業を行っているため片手でいくつものピースを握っておいてボルトを差し込んで座金、スプリング、ナットを締めるとなると落とす可能性がとても高まります。
一度部品を落としてしまうとまた新しいボルトから部品を取って付け直さないといけなくなります。
このDロックはナットを落とさなければ座金を落とすことが無くなりとても施工がスムーズです。
豆ボルトに座金が最初からセットされておらずそのまま付けてしまうことによる座金の付け忘れなども防止できるのです。

DロックはJIS認証品ではない

鉄骨工事が始まる前段階の打ち合わせで起こるトラブルとして一番多いのがDロックがJIS認証品ではないといった点です。
豆ボルトに関してはあまり指定されることが無く、どうしてもハイテンションボルトの方に指摘が行きがちですがDロックを使用する際には材料承認をもらっておく必要があります。
構成部品がJIS規格(B 1180、B 1181、B 1256、B 1251等)に準拠した規格品ですが、製品自体は「JIS認証品」ではなく「JIS準拠品」として扱われます。
「JIS準拠品」とはJIS規格の基本寸法や強度基準に準拠して作られた製品(JIS準拠品)」という位置づけになります。
鉄工所としてはDロックを使用する方が施工性も緩み止めも高いことから当たり前のように使用することが多く現場建方が始まってからJIS品ではないと判明して豆ボルトを全て入れ替えなければいけなかったといったこともありました。
性能表を提示しましたがJIS品ではないといった理由のみで入れ替えを行いました。
これが胴縁施工後に全てのボルトを一本づつ入れ替えなければいけないと考えるがゾッとします。
D-LOCK=粗悪品という意味ではありません。
SASSTの技術評価も取得しています。ただし、JIS認証品を指定された現場では事前確認が必要です。
まとめ

今回は、鉄骨工事の施工性を大きく向上させる「Dロック」について紹介しました。
ナットと座金が一体化したDロックは、高所作業での部品落下を防ぎつつ、取り付けスピードを劇的に早めてくれる非常に便利なボルトです。高い戻り止め性能も備えているため、現場の強い味方と言えます。
ただし、構成部品はJIS規格に準拠しているものの、製品そのものは「JIS認証品」ではない点には注意が必要です。あとから「全本数やり直し」といった悲劇を起こさないためにも、採用の際は事前にゼネコンや設計者への確認・材料承認を忘れずに行いましょう。


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