H形鋼のハンチとは

H形鋼のハンチ加工とはブラケットになるH形鋼を広げて仕口部分を大きくすることです。

これは柱から梁の出ているサイズが違う時にH形鋼をハンチにして柱の仕口を組む場合に使われるH形鋼の加工品です。

柱から出ている梁のサイズが違えば内ダイヤなどを入れて出来そうなものですが、異なるサイズのH形鋼でサイズがあまり変わらないようなサイズの場合には通しダイヤや内ダイヤの溶接が困難になるのです。

梁のサイズを一定にしてくれればいいのですが設計は重量がなるべく軽くなった方がコストが下げられます。
なのでH形鋼のサイズは一定にはしないのです。

目次

H形鋼ハンチの作り方

H形鋼のハンチは鉄工所で製作をします。

STEP
ブラケットのウェブ面をガスで切り込みを入れる

H形鋼のブラケット部分にガスで切り込みをいれてウェブ面が開くようにします。

STEP
フランジ面にガスで熱を加えて曲げていく

フランジをガスで炙って曲がるようにしてダイヤフラムの幅に曲げていきます。

STEP
ウェブ面の空洞が出来た部分にくさび型の切板を溶接していく

フランジを曲げることでウェブ面に空洞ができます。その空洞を埋める為にフランジ幅と同じ厚みのくさび型の切板を溶接します。

ハンチは下フランジと上フランジを開くやり方もありますが中小案件の鉄骨工事では基本的には下フランジをハンチ加工にします。

ハンチにした部分のフランジを曲げた箇所には補強のリブを入れるようにしなければなりません。
これは曲がり部分が座屈(ざくつ)してしまわないようにするための補強リブです。

鉛直(えんちょく)ハンチと水平(すいへい)ハンチ

鉛直ハンチとは今回取り上げているH形鋼の下フランジ部分を曲げてハンチを作る場合のことを言います。

水平ハンチとはH形鋼の上フランジを柱の幅に広く加工して溶接をおこなう方法です。

鉛直ハンチはウェブ面を広くする加工ですが水平ハンチはフランジ面を広くする方法です。

中小案件では鉛直ハンチが主流です。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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