鉄骨工事の鋼材識別を知っておこう

鉄骨工事では全てに材質が書いてあるわけではありません。

材質などを人が認識する場合には一次加工を行って鉄工所へ納品する際に共通認識の色分けを行い納品しなければいけません。

H形鋼に関しては1本の定尺材に1枚のステンシルのみを貼ってあり、切断してしまえばどれがどの材質かわからなくなってしまいます。

材質をいうのは見た目では全く分からず、SS400とSN400B材の見分け全くつきません。その他の材質も同様に鋼材の材質は見た目では全くわかりません。

鉄板に関しては必要寸法に切断して鉄工所に納品される為、必ずマーキングを行い納品しないといけません。

切板であれば切断した側面に色分けを行い材質を見た目でわかるように納品します。

この色分けは材質で色が決まっています。

目次

色分け表

鋼材識別

鉄骨工事で色分けをする鋼材

色分けが一番必要なのはやはり切板になります。

鋼板にはシート材とコイルカット材と呼ばれる鉄板があります。

  • シート材をいうのはメーカーがの定尺にして納品するものです。
  • コイルカット材をいうのは鉄板をトイレットペーパーのように巻いてコイルを平たくして切断を行い納品するものです。

シート材には鉄板に材質が印字されていてコイルカット材には何も印字されていません。

どちらも切断してしまうとどの材質か分からなくなってしまいます。

なので鉄板には必ず側面に色分けが必要です。

次に色分けがしなければいけないのはH形鋼です。

H形鋼も特殊な材質を使用することが多く切断、孔明けを鋼材店で行った場合には色分けが必要になります。

STKやSTKR、BCRといった建築に使う大きなサイズになると製品の側面に印字してあることが多いため色分けをする必要はありません。

STKやSTKR、アングルやチャンネル、ライトゲージなどにはそもそも材質はSS400しか無い為色分けは必要ありません。

材質をSS400以外のものを使用する場合は躯体と呼ばれる鉄骨の骨組みや建物の重さが直接伝わる箇所に使われることが多いです。

サムスチールチェッカーで材質を確認する

鋼材の材質を機械で確認する方法があります。

それはサムスチールチェッカーと呼ばれる機械を使い材質を確認することです。

サムチェッカーと略して呼ぶ人も多くいます。

この機械は電気抵抗を測定して鋼材の含有量を測り材質を確認する機械になります。

機械はアタッシュケースに入れて持ち運べるくらいの大きさです。

中小案件を扱うMグレードまでの鉄工所は持っている業者が少なくサムスチールチェッカーで測定することはあまりしません。

サムスチールチェッカーは高価で100万円前後の機械なのでなかなか手にいれるのにもハードルが高く持っていない鉄工所が多いと思います。

物件によっては材質の写真を撮っておいて提出してほしいといった要望がある場合にレンタルなどで対応することが多いです。

まとめ

鋼材をいうのは切断やして納品した場合に見た目ではどの材質か分からないので材質を目視で確認できるようにこのような色分けがされたと言われています。

万が一材質を間違って製作を行ってしまえば作り直しをしなければいけません。

もちろんわざと偽ってしまうようなことがあれば法令違反となり処罰されます。

基本的には材質とミルシートの整合性を持たせて確認してもらうのが一般的ですが書類上でしか確認ができないと不安な人も多い為、色分けされて納入することで確認できるようになっています。

文字を記入すると時間もかかり効率も悪い為、色分けであれば簡易的に出来る為このような方法になりました。

材質に間違いが無いようにしっかり管理して製作を行いたいものです。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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