鉄骨工事加工のハイスキップ構法とは

鉄骨工事では構造体のコストカットや加工手間を減らす技術など様々なメーカーが日々開発を行っています。

様々な工法がある中、工場加工でハイスキップ構法というものがあります。

鉄骨工事の工場加工では鋼材を切断、孔開け、溶接、塗装などを行い現場に搬入して組立を行って建物になっていきます。

その中でもやはり鋼材同士を接合する溶接がとても大事になってきます。

溶接は不良が起こると構造建物の耐力低下となるため、しっかり行わないといけません。

柱などの完全溶け込み溶接では近年ロボットで溶接を行い超音波探傷試験では不良はほとんど見られないと聞きます。

しかしガセットプレートやブレースシートなど板溶接は手溶接を行うしかありません。

今回はその溶接量を大幅に減らことができるハイスキップ構法について解説します。

目次

ハイスキップ構法とは

ハイスキップ構法とはガセットプレートやリブプレートを断続隅肉溶接にできる構法です。

要はタップ溶接でも構わないといった構法なのです。

通常ガセットプレートはH形鋼の側面に接する部分は全て溶接を行います。

しかし条件をクリアしていればタップ溶接でお構造耐力が変わらないことがわかり、㈱ハイスキップがこの構法を開発の行い特許を取得しました。

この構法を採用すれば鉄工所での溶接量を大幅に減らせることができ、加工手間自体を大幅に軽減することができるのです。

しかも現在鉄工所が使用している鉄骨専用CADのREAL4(リアルフォー)にも対応しておりガセットプレートやリブプレートを切板問屋に注文する際にケガキ線を入れて出力ができます。

REAL4とは鉄骨の製作図や詳細図、加工図などを入力すれば自動で生成してくれるCADシステムです。

このケガキ線をいれることでどれだけの溶接を行えば良いのかを目視で判断できるためとても便利です。

ハイスキップ構法のメリット・デメリット

メリット
工場加工手間が減る
溶接不良箇所が減る
溶接棒などのコストダウンになる

工場加工手間が減る

工場で溶接を行う場合には梁へのガセットプレート溶接というのはどうしても手溶接で工場で溶接資格をもった職人がおこないます。梁成が大きくなればなるほど溶接量というのは増えます。納期などがひっ迫しているとガセットプレートの溶接手間の時間がとてもネックになってきます。加工手間が減ることで納期対応もしやすくなります。

溶接不良箇所が減る

手溶接を行っていると人間がすることなので必ず間違いというのは起きてしまいます。溶接量を減らすことで間違いや人のコンディションによって左右される溶接不良が起きにくくなり良い製品を提供することができます。

溶接棒のコストダウンになる

鉄工所では工場溶接を行う場合に溶接棒や半自動溶接機などの溶剤を購入しなければなりません。ここ近年資材の高騰でコストが上がってしまっています。鉄工所がハイスキップ構法を採用してもらうことで工場経費が格段に下がります。

デメリット
認知度が低い
特許使用料を払わなければいけない
溶接サイズが混合した場合に混乱する

認知度が低い

ハイスキップ構法で溶接量をタップ溶接でも構造耐力に問題が無いといった資料を提供しても溶接量を減らすことを頑なに嫌う設計者は多くいます。あまり認知されておらずこの構法を毛嫌いする人もいると聞きます。

特許使用料を払わなければいけない

鉄工所がこの構法を使用する場合には鉄工所が㈱ハイスキップと契約を結び特許使用料を払わなければいけません。鉄工所が下請けなどに出してこの構法を使用する場合には下請け鉄工所も特許使用料を払わなければいけないので2倍の特許使用料がかかってしまいます。

2022年には㈱ハイスキップとフルサト工業㈱が業務提携をし、窓口をフルサト工業㈱になっています。

グレードS、HグレードM以下
契約月年間契約料イニシャル料合計年間契約料イニシャル料合計
4月100,000150,000250,00050,000100,000150,000
5月91,666150,000241,66645,833100,000145,833
6月83,333150,000233,33341,666100,000141,666
7月75,000150,000225,00037,500100,000137,500
8月66,666150,000216,66633,333100,000133,333
9月58,333150,000208,33329,166100,000129,166
10月50,000150,000200,00025,000100,000125,000
11月41,666150,00019,66620,833100,000120,833
12月33,333150,000183,33316,666100,000116,666
1月25,000150,000175,00012,500100,000112,500
2月16,666150,000166,6668,333100,000108,333
3月8,333150,000158,3334,166100,000104,166

溶接サイズが混合した場合に混乱する

ハイスキップ構法は使用してもいい梁のサイズと使用してはいけない梁のサイズがあります。全てハイスキップ構法で溶接を行えばいいのですが間違って溶接しなければいけないところに溶接をしていなかったり、溶接をしなくてしなくていい場所に溶接を行っていたりします。


溶接をしなくていい箇所に溶接を行っていた場合には通常通りの在来工法になるのでしょうが頑固な設計者などはクレームが入ったといった事例もありました。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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