近年真夏の気温の上昇が著しく熱中症になる人が増えてきています。
総務省消防庁データによると2010年以降全国で夏場期間に熱中症で救急搬送された人が増加傾向にあります。
そこで労働安全衛生規則の改正によりすべての事業者に、作業環境や気温に合わせた熱中症予防措置を講じることが求められます。
熱中症対策を怠った場合には罰則が科せられる可能性もあります。
企業は対策を講じなければなりません。
対象となるのは?
WBGT28度以上または気温31度以上の環境下で連続1時間以上又は1日4時間を超えて実施が見込まれる作業が対象になります。
熱中症対策を怠った場合には、6ヶ月以下の拘禁系又は50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
(拘禁系とは懲役刑と禁錮刑を一本化して受刑者を刑務所などに拘禁し、改善や構成や社会復帰を支援する為の刑罰です。これも2025年6月1日からの施行で新しい刑罰なのです。)

義務化される熱中症対策内容

第1 WBGT値の活用
WBGTとは(湿球黒球温度、Wet-Bulb Globe Temperatur1954年にアメリカで提案された指標です。気温だけでなく湿度や照り返しなどの輻射熱(ふくしゃねつ)も考慮して計算される数値のこと。より人体が感じる暑さに近い指標と言われており、WBGT基準値を超えると熱中症のリスクが高まります。
WBGTは以下の3つの要素を総合的に評価して算出されます。
- 気温(乾球温度)通常の温度計で測る温度
- 湿度(湿球温度)湿らせた温度計で測る温度
- 輻射熱(黒球温度)黒球温度計で測る温度
WBGT値の求め方
- 屋外の場合⇒暑さ指数=0.7×温球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
- 屋内の場合⇒暑さ指数=0.7×温球温度+0.3×黒球温度
計算結果
- 25℃以上:熱中症の危険が高まる。休息をとり水分補給をおこなう
- 28℃以上:熱中症の危険が高い。激しい運動は避ける
- 31℃以上:熱中症の危険が非常に高い。運動は原則中止する
熱中症予防対策を講じなければならない

熱中症による死傷者が多い業種1位は建設業
- 1、作業環境管理
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WBGT値の低減等(照り返しを遮る簡易屋根などの設置
休憩所の整備等 - 2、作業環境
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作業時間の短縮等
厚熱順化(熱に慣れる環境適応を計画的期間を設ける)
水分及び塩分の摂取
服装等
作業の巡視 - 3、健康管理
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健康診断結果に基づく対応等
日常の健康管理等
労働者の健康状態
身体の状況確認 - 4、労働衛生教育
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熱中症の症状
熱中症の予防方法
緊急時の救急処置
熱中症の事例
現場における対応
「体制整備」、「手順作成」、「関係者の周知」が事業者に義務付けられます。

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