鉄骨工事で柱を現場溶接を行う場合にはエレクションピースと呼ばれる鉄板を付けて仮にジョイントしておきます。
現場溶接が終わるとそのエレクションピースはガスで切断して除去します。
エレクションピースは約10mmくらいを残してガス切断を行い、グラインダーで突起を軽く削るくらいの仕上げを行って終了です。
柱自体が外部と内部壁に隠れてしまう場合にはあまり見た目を気にする必要はありません。
しかし倉庫や工場などに場合には柱がそのまま見えてくる場合があります。
そんな場合に見た目を重視してエレクション部分をゼロ仕上げにしてほしいと依頼があったりします。
そんな時に綺麗にエレクションピースを切断するのに活躍するメタルキラーを呼ばれる機械を紹介します。
メタルキラーとは
持ち運びができる箱型の機械で火器を使用せずにゼロ仕上げが出来る商品です。
実際にエレクションピースがあったかどうかわからなくなることがありません。
グラインダーを使ってあまり柱を削って仕上げしてしまうとコラム自体が薄くなって構造体に影響を及ぼす可能性があるからです。
そもそもエレクションピースはどのように取り除く?
柱が壁を内装で隠れる場合にはそのままにしてあることが多く、見た目はあまり気にされません。
ガス切断部分の表面が汚い為、グラインダーで軽く仕上げを行って終了となります。
しかし柱がむき出しになる場合には見た目を良くする為に建設会社から「ゼロ仕上げ」にしてほしいとの依頼があります。
鉄骨工事では見積りに通常エレクションピース切断という項目で10mm程度残しという文言を入れてあることが多く、ゼロ仕上げは建設会社の追加工事となることがほとんどです。
メタルキラーが出る前はゼロ仕上げをする場合はひたすらグラインダーで削り続けなければいけませんでした。
エレクションピースを使うような物件になると相当な数のエレクションピースが使われており人と時間をかなり費やす必要がありました。
メタルキラーのメリット
➊メタルキラーは画像のようなバンドソーが付いている機械でエレクションピースを切断していくので基本的にはガス切断の技能者が必要ありません。
➋グラインダー作業は少しはいるものの簡易的に出来る為、工期短縮にも繋がります。
➌残部分が2mm以下の平面をなる為、見た目がかなりよくなります。
❹ガス切断を行わないので高温を与えることがない為、構造体の材料に熱影響の心配がない。
❺二酸化炭素の発生が無くなり周辺環境の向上が見込める。
このようにメーカー側からのメリットとしてはこのようなメリットがあります。
メタルキラーの使い方
エレクションピースの上側にメタルキラー本体を固定する為の磁石を付けます。
メタルキラー本体の下側にも磁石が付いておりこの磁石で上下を固定します。
エレクションピースにバンドソーの刃を固定して本体の重みで動いてエレクションピースを切断していく。
切断していく際に溶剤を吹き付けておかないと摩擦でバンドソーの刃が止まってしまう場合があり、溶剤をスプレーボトルのようなもので切断面に常に付けて切断中に滑りを良くする必要があります。
実際使ってみた感想
付替えの時間というのは非効率で時間が多くかかってしまうのが難点です。
メタルキラーは持ち運びが簡易に出来なければいけないのである程度の大きさまでしかサイズを大きくできないのではないかと思います。
使用メリットにガス切断がの技能者が必要ない、高温を与えない、などがありましたがエレクションピースを一度切断した上でメタルキラーを使用した方が効率がいいと感じました。
メタルキラーを使用する前にはジョイントしているスプライスをばらす必要があります。
しかもエレクションピースが切れる際には手でエレクションピースを持っておかないとメタルキラーごと下に落ちてしまう可能性があり、機械が壊れる恐れがあるからです。
明らかにグラインダーで削り続けて仕上げを行うよりも効率的なことは確か。
機械の改善余地はあるものの間違いなくメタルキラーは使った方が良いのでオススメします。
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