鋼材の黒皮(くろかわ)とは?

鋼材というのは熱間圧延加工をされて作られてるものが多いです。

熱間圧延というのは鋼材を熱して柔らかくして変形する状態にしてH形鋼やアングルなどのような形に成形していき作られています。

この熱したものを通常の温度に冷える際に鋼材の表面に酸化皮膜を作り、硬く固まっていく性質があります。

黒皮は別名ミルスケールとも呼ばれることがあります。

ミルスケールは日本語では「覆う皮膜」や「魚の鱗」といった意味を持っています。

目次

黒皮の種類

黒皮といっても全てが同じ色をしているわけではありません。

鉄骨工事で使用するコラムやH形鋼にも加工する前には黒皮が付いています。

代表的なものでいえばH形鋼は通常赤みかかった見た目をしていますがこの赤みかかたものが黒皮になります。

この黒皮のしたには鋼材本来のグレー色の素地が隠れています。

コラムのような角パイプや丸パイプにも黒皮が付いています。

プレート(鋼板)などは見た目は黒皮が無いように見えますがこれも青っぽい黒皮が付いています。

黒皮の除去方法

建築鉄骨では黒皮があると製品を作った後の塗装やメッキなどを行う際に支障をきたしてしまいます。

黒皮があることで塗装が綺麗にのらずに時間が経つと剥げてきてしまったり、メッキなどの場合には黒皮部分にメッキが乗らずに汚い模様になったりする場合もあります。

鉄骨工事では基本的にはショットブラスト処理というものを行います。

ショット=球、ブラス=打ち付ける

機械に通すことで数ミリ程度の小さな鉄球を勢いよく吹き付け、黒皮や錆などを落として、表面を凸凹にして塗装をしっかりと密着させやすいようにします。

接合部分の摩擦面などは養生を行い塗装することで摩擦係数も確保でき、塗装ものりやすいといったメリットがあります。

メッキの場合には塩酸に付けることで黒皮を除去しメッキを綺麗に付けることができます。

メッキ加工をする場合には塩酸の溜まっている桶に付けることで黒皮を剥いでメッキ桶に入れることで綺麗な見た目を確保することができます。

黒皮を剥いだままの状態では鋼材の素地が出てくるので湿気などでもすぐに錆びてしまいます。

ショットブラストなどを行った場合にはすぐに加工を行い、塗装を行うように心がけましょう。

磨き材(みがきざい)の商品

元々黒皮を剥いである商品が存在します。

磨き材(みがきざい)と呼ばれる鋼材をあらかじめ磨いて在庫をしている商品も存在します。

この商品は丸鋼や特殊鋼などの機械製造の部品などに使われる商品が多く、建築鉄骨に使うような形鋼はあまりありません。

たとえ使える材料があったとしても磨き材はあらかじめ磨き工程行っている商品なのでとても高価な値段になっている為、建築鉄骨鋼材価格に似合ったものではありません。

このような商品があることを覚えておきましょう。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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