鉄骨工事に使用するZAM(ザム)とは

建築工事では様々な環境下で建物が建ちそびえて幾年もその環境に耐えないといけません。

胴縁などでも腐食の恐れがある場所などにはZAM鋼板を使用したC形鋼、角パイプなどが使われて腐食の心配を無くす素材を使用されることがあります。

今回はZAM(ザム)とは何かを解説していきます。

目次

ZAM(ザム)とは

ZAMとは(旧)日新製鋼所㈱-(現)日鉄日新製鋼所㈱が1999年に開発した高耐食性の鋼板です。

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通称ZAM鋼板と呼ぶことが多く、ZAM鋼板を成形したC形鋼や角パイプなどが胴縁に使われることがあります。

ZAM鋼板は溶融亜鉛メッキ鋼板よりも高い耐食性を持っています。

ZAMとは亜鉛(Zn)、アルミニウム(AI)、マグネシウム(Mg)の頭文字をとった名称なのです。

ZAM鋼板の特徴

高耐食性
加工しやすい
後メッキ処理がいらない

高耐食性

先ほどの説明しましたがZAM鋼板は通常の溶融亜鉛メッキ鋼板の約10倍~20倍ほどの耐食性を兼ね備えた鋼板なのです。

通常メッキ鋼板を使用する箇所といえば腐食の心配がある地域や箇所に使われることが多い為、耐食性は高ければ高い程腐食の心配は無くなります。

亜鉛メッキよりも耐食性が証明されている分、長年腐食から守ることができます。

加工しやすい

通常亜鉛メッキは黒皮の鋼板を加工した後にドブメッキ槽に付けてメッキを行うことが多いです。

亜鉛メッキ鋼板を加工しても切り口などから腐食の心配がある為、加工したものをドブメッキにして施工を行っていくことが多いです。

ドブメッキは納期もかかるし、亜鉛を溶かしているものに浸ける為、歪が起きて実際施工する際に上手く取り付け出来ないなどの支障が起きてしまいます。

ZAMは元々鋼板を加工している為、加工性がとても良く歪などの心配が無いので納期やコスト面でもとても使いやすいです。

後メッキ処理がいらない

どれだけ亜鉛メッキ処理を施したとしても切断や傷などで鉄部分がむき出しになる部分が出てきます。

最初は目視ではわからないくらいの傷でも時間が経つにつれて赤錆で出てきて腐食が目立ってきます。

ZAM鋼板は切断面などは緻密なマグネシウム含有の亜鉛が時間とともに覆っていき時間が経てば経つほど腐食を防止していくようになっています。

t3.2程の切断面であれば補修する必要も無くそのままにしている方が腐食を抑えられるといった商品なのです。

これがZAM最大の特徴なのです。

鉄骨工事にZAMを使用する場合

鉄骨工事では沿岸地域や防衛施設などにZAM鋼板の胴縁を使用する場合が多いです。

特に沿岸地域では潮風が建物に吹き付けたり、台風などで海の水が建物に当たったりすることが多々あります。

亜鉛メッキをしていても少しの傷に塩水が入ることで錆が発生しやすく腐食の進行が早くてしょっちゅうやり替えなどが必要になったりします。

そんな時にはZAM鋼板を使用した胴縁で建物を覆うことが多くあります。

ZAM鋼板は常に在庫がある訳ではなくC形鋼、角パイプは在庫の有無で生産量が限られており受注生産をするといったホーミングメーカーの方が多く、製作などには時間がかかることを覚えておきましょう。

大型案件は時間をかけて使用部材や納期などを調整してきますが中小案件であれば外壁などが決まるのが遅かったり工期が押し迫ったりする機会が多い為通常のホワイトC形鋼や塗装品で胴縁を作ることが多いです。

ZAM鋼板はとても使いやすく耐食性もバッチリですが在庫の有無や納期をしっかり把握したうえで使用するようにしましょう。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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