鉄骨工事に必要な製作要領書とは

鉄骨工事を請負う上で必要書類は様々あります。

ミルシート(鋼材の証明書)や社内UT検査書類(超音波探傷試験)など沢山あります。

書類には色々な意味があります。

どんな内容の書類なのか?なぜその書類を出さなければいけないのか?

これが分かっているのといないのではしっかりした書類を出してもらうのにも言葉にチカラが入りません。

とりあえず出しておけばいいといった考えでは後々法令違反などの大変なことになりうる場合があります。

その中で今回は鉄工所が提出する製作要領書を解説していきます。

目次

製作要領書とは

製作要領書の目的とは鉄骨を工場加工する上で製作、施工において品質を確保する為の基準を示す為の書類です。

工事を行う建築物や使用される溶接仕様、基準や材料、規格などJIS規格を呼ばれる国家規格をクリアしているか?そして建築基準法に従って行われているかを確認できる書類です。

たまに建設会社や設計事務所が工場を視察したりするが製品検査めでは工場に行くことがほとんど無い為、製作要領書を確認して、グレードの基準や設計条件などの基準を満たしているかチェックを行います。

製作の工程や溶接方法をどのような材料や方法で接合しているかを把握する役割も担います。

塗装工程の膜厚の検査基準や品質管理の仕方なども記載されています。

製作要領書の役割

製作要領書は品質を確保して工程や作業手順を明確化し、ミスや品質不良を防止する役割をはたします。

工事を効率的に施工行う為に各プロセスをスムーズに行えるようにして、建築基準法や各規格をしっかり満たし、それに見合った加工を行えているかの確認書類なのです。

毎回顔を合わせたり、工場加工の進捗状況を設計士、ゼネコン、施工業者が確認するわけにはいかないので全員の認識を一致させたうえで誤解や齟齬が無いようにする為の書類ともいえます。

製作要領書の作成方法と提出時期

各鉄工所はひな形を自社で作っており工事名やゼネコン、設計事務所などの入力をすることで作成ができるようにしています。

各県の鉄工所は同業者で繋がりがあるので仲の良い鉄工所同士で書類ひな形をやり取りして作成を行っています。

インターネットからもひな形をダウンロードすることが出来る為、エクセルデータを打ち換えて作成することも出来ます。

提出期限としては建設会社から注文書をもらったらすぐに作成を行って提出をします。

施工図の着手や材料手配などが実務として大事にはなってしまい、書類の作成を後回しにしてしまう業者が多いのは仕方のないことですが工場加工が始まる前には提出を終えて、どのような加工手順を行うかを認識してもらうように早めの提出をしておきましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

コメント

コメントする

目次