鉄骨工事を見積もる際に図面を見て把握しておこう(構造図編)

鉄骨工事を請け負う際に必ず見積もりを建設会社に出さないといけません。

建設会社より図面をもらい見積もり作業を行うのですが自分自身で全て出来れば問題ないのですがなかなかそうはいきません。

餅は餅屋で鉄骨工事を請け負うには鉄工所へ制作をお願いしなければなりません。

どの規模の鉄工所へ見積もりをお願いするか?

それには図面を見て把握していないと鉄工所へ見積もりのお願いができません。

今回を図面の何のどこを見ていいかわからない人必見です。

ある程度見ておけばいい要所を抜粋して教えていきます。

全てを読んで把握していては一日の仕事が出来なくなってしまいます。

鉄骨工事では構造図をメインに見ることが必要となります。

もちろん意匠図(いしょうず)を確認することも大切ですが今回は構造図に絞ってお伝えします。

目次

構造図とは

構造図とは建物の構造に関わる図面のことです。

鉄骨工事は基本的にこの構造図で大まかな数量を把握できます。

構造図の大まかな区分

仕様書

この仕様書にはびっしりと沢山の文字が書かれていて何を見ていいかわからなくなって図面を見ることすら嫌になる人が多いです。
鉄骨工事欄を目を通しておきましょう。
基本的には制作工場のグレードの確認をしておくといいです。

伏図(ふせず)、平面図(へいめんず)ともいう

伏図は建物を上から見た図面です。
建物を上から見ることによって建物の形を把握できます。
梁の箇所などを記載されていることが多く梁の量や本数などが把握できます。

軸組図(じくぐみず)、断面図(だんめんず)ともいう

軸組図は建物を輪切りにしたような横から見た図面です。
断面図をみることで何階建ての建物かが把握できます。
伏図(ふせず)で分からなかったような斜めに梁が入っているなども確認ができます。

部材リスト(ぶざいりすと)

部材リストは図面の記号はどのようなサイズの部材を使用しているかがわかります。
この部材リストを見ることでサイズだけでなく規格も確認できるので手に入りにくり部材などが入っていなかを確認することができます。

詳細図(しょうさいず)

伏図や軸組図でわかりにくい箇所や特殊な施工の仕方などを詳細に記載されている図面です。
細かな箇所を書いてあることが多く、ジョイント部分やわかりにくり部分を記載されています。

鉄骨工事の見積もりをお願いするにあたって

STEP
仕様書の鉄骨工事欄を見てグレードを確認

仕様書をの鉄骨工事でグレードを見てチェックが入っている箇所を確認。

J、R、M、H、Sのどの欄にチェックが入っているかの確認。

JからSに行くほど工場規模が大きくなっていきます。

Mグレードにチェックが入っている場合にHグレードで制作はOKだがRグレードでは制作NG。

グレードが上がる分はOK、下がるのはNG。

STEP
伏図(ふせず)を確認して物件規模を把握

平米数を把握して物件の規模や形を把握しておく。

鉄工所は伏図で四角の建物を好みます。いびつな形だと加工手間がかかる為金額が高くなる傾向があります。

場合によっては見積もりをしない可能性もあります。

これによって制作工場規模を把握できます。

STEP
軸組図を見て階数などを確認

軸組図を見れば何階建てなのかがすぐに把握できます。

平米数が小さくても階数が高くなれば鉄骨の数量も多くなります。

STEP
制作時期を確認しておく

鉄工所は重量物を扱う為、制作工程が重複してしまうと工場がいっぱいになり制作が出来なくなったりします。

見積もりをする鉄骨物件に仕事が入っていればたとえ受注に結び付いたとしても断わらなければいけなくなるため、見積もり時点で断る可能性があります。

物件によっては3ヶ月先や場合によっては数年先の案件などもある為大まかな時期は把握して伝えるようにしましょう。

STEP
鉄工所へ見積もりを依頼する

鉄工所へ物件規模と制作日程などを伝えて図面をメールなどで送信して見積もりをお願いします。

おおよその物件規模=㎡数×70kg~80kg×階数

例:1250㎡(㎡数)×70kg×2階建て=約175ton
  1250㎡(㎡数)×80kg×2階建て=約200ton

部材の規模を見てkg数を決めてください。

この鉄骨物件は本体はおおよそ175ton~200ton程度の案件だとわかります。

これで制作工場を選定することができます。

まとめ

鉄骨工事を請け負う際には見積もりを行わなければいけませんが建設会社から商社への依頼があった場合にはもちろん鉄工所の選定が必要です。

鉄工所への見積もりをお願いするにあたり図面を丸投げして「見積もりをお願い」とただ言われただけでは見積自体を断られる可能性があります。

隅々まで見るのではなく大まかな規模などを把握した中で見積もりの依頼をしましょう。

図面の味方が分からないひとでも要所を抑えておくだけでグッと信頼性があがります。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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