鉄骨工事のタッチアップ作業とは

鉄骨工事では溶融亜鉛メッキや耐火被覆などの仕上げが無い限りは基本的に錆止め塗装を行って現場へ出荷します。

鉄骨製品の塗装仕上げの場合には鉄工所でエアレス吹き付けと呼ばれる霧吹き機のような機械で噴霧して塗装を行います。

塗装が終わった段階であれば傷一つなく綺麗に見えます。

しかしトラックに積み込みや現場への荷下ろし時に玉掛け作業を行ってワイヤー傷がはいったり、りん木の上に置いた際に塗装が剥がれたりします。

タッチアップ作業はそのような塗装が剥がれた部分を現場で補修する作業のことをいいます。

目次

鉄骨ジョイント部分のタッチアップ

鉄骨工事ではスプライスプレートやガセットプレート部分というのは接合部分の摩擦面を確保する為に無塗装になっています。

本ボルトの本締め作業が終了した段階でボルト接合部分を鳶職人が刷毛でタッチアップ作業で塗装を行っていきます。

鉄工所としては傷を補修するというよりは基本的にこのジョイント部分のタッチアップ作業がメインになります。

このジョイント部分のタッチアップ作業の次いでに傷などのタッチアップを行うことが多いです。

具体的なタッチアップ作業

タッチアップ作業は塗料をシンナーで希釈して、持ち運びのしやすり小さいバケツに入れて刷毛で塗っていくのが一般的になります。

基本的にはボルト部分の塗装がメインになる為、ローラーなどはほとんど使いません。

稀に広い面積をタッチアップする場合にはローラーを使用する場合があります。

高所での塗装作業になるので塗料とシンナーの割合が重要になります。

シンナーの量が多すぎると塗料の伸びはいいものの液だれをしてしまい下に人がいると塗料が付いてしまったり、工具や重機などがあった場合にも塗料が垂れてしまい弁償などのトラブルになりやすいです。

逆に塗料の方が多かった場合には液だれの心配は少ないもののバケツに入った塗料がすぐに無くなってしまい何度も地上に降りて塗料を入れに行かなければいけないので作業効率としてはとても悪くなってしまいます。

全て完璧に塗装することは不可能

鉄骨工事を請負ううえで塗装というのはあくまでも最低限の補修作業までと考えておきましょう。

鉄骨建方などでは安全仮設材などやワイヤーなどをかける際に必ず小さな傷というのはついてしまいます。

ある程度の建物であれば鉄骨部分というのは壁の中に隠れてしまい見えなくなるので建設会社も厳しく指摘することはありません。

しかし工場や施設でも鉄骨がむき出しになる場合があります。

そんな時には仕上げ塗装を別途業者に建設会社から依頼してもらい全体的に塗装を行うようにしないといけません。

タッチアップ作業では補修を行った部分がどうしても目立ってしまいあまり綺麗にはなりません。

建設会社も少しでも経費を浮かそうと仕上げ塗装まで鉄工所でやってもらえると思ってタッチアップ作業で全て塗装を行えると勘違いをしている人もいるようです。

あくまでも鉄骨加工業者では錆止め塗装を工場で吹き付けて現場では傷の補修を少し行う程度だと覚えておきましょう。

まとめ

タッチアップ作業とは現場で無塗装のボルト接合部分を刷毛で塗装補修を行うことをいいます。

鉄工所で塗装は行うものの輸送時や荷下ろし時、建方時には必ず小さな傷はついてしまいます。

その際にもタッチアップ作業で補修を行います。

鉄工所での塗装はあくまでも仕上げ塗装ではないので表しになる部分の鉄骨は必ず塗装の専門業者を手配して仕上げ塗装を行ってもらうようにしましょう。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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