この墨出しは様々な場所で使われておりこの墨出しを行った寸法を基準に建物を図面通りに建てていきます。
今回は鉄骨工事に関わる墨出し部分に絞って解説していきます。
この墨出しはあくまでも建設会社が行ってもらうことは前提です。
鉄骨工事に絡む墨出しとは
鉄骨工事に絡む墨出しはアンカーセットの際に墨出しを行ってもらう。
建方時のアンカーボルトに柱部分に芯墨を打ってもらう。
この2つがとても大事な墨出しです。
アンカーセット時の墨出し
この位置が間違っていると建物全体がズレて上屋の鉄骨工事が建たなくなってしまいます。
しかも基礎はコンクリートを流し込んで固めてしまうのでこのズレが生じてしまうと全ての工事に影響を出してしいます。
アンカーボルトセット時の墨出しはしっかり行ってもらいましょう。
建方時のアンカーボルトの芯墨出し
これ自体が無いと建方が出来ないわけではありませんが柱のを建てる際に柱の角度がズレてしまっていると梁の位置や胴縁なども全てズレてしまい壁を張る際や胴縁の通りだしなどを行う際にとても苦労してしまいます。
建て起こしなどの高い部分での角度は建込みを進めてからでも問題ありませんが柱の角度は最初に決めておかないと建込みが進んでからの矯正はとても難しくなってしまいます。
墨出しの種類と名前
・陸墨(ろくずみ)
水平をあらわす墨のことで、作業現場の基準となる高さを表示する墨のこと。
陸墨から上に打つ墨を「上がり墨」、下に打つ墨を「下がり墨」といいます。
・芯墨(しんずみ)
壁や柱の中心を表示する墨のことで、心墨や真墨と表現します。
・返り墨(かえりずみ)
墨を打ちたい場所に障害物がある時、その場所から50cmや1mなど、一定距離を離して打つ墨のこと。
「逃げ墨」ともいいます。
https://takken-job.com/magazine/sumidashi-marking/
鉄骨工事では芯墨(しんずみ)と返り墨(かえりずみ)の二種類を使うことが多いのですが返り墨をという名称を使うことより工事現場では「逃げ墨」の名称を使うことの方が多いようです。
めざしの経験談
とある工事でアンカーセット工事打合せに鉄工所と同行して現場視察を行いました。
その建設会社はアンカーセットを行う場合に逃げ墨のみしか打っておらず「これでアンカーセットお願いします」とだけ言いました。
確かに逃げ墨を打っていれば、ある程度の柱芯というのはわかります。
もしもアンカーセットの角度がズレていて柱の角度がズレた場合にはどちらの責任になるかが不透明になってしまいます。
柱芯墨をしっかり出していてもらえばその場所にアンカーセットを行うだけなのでもしもズレていた場合にはこちらにはこちら側に施工不備があります。
ゼネコンの芯墨を出すという仕事は怠らすにやってほしいものです。
アンカーセットが終わった後にもアンカーボルトを実測してベースプレートに孔明けを行うので製作した柱芯からどのくらいで孔明けを行えばいいのかは柱芯が無いとわかりません。
柱芯の墨出しを行っていないが為に建て方時にアンカーボルトとベースプレートの孔が合わずに建方初日から手待ちになってしまうといった事象が起きたこともありました。
アンカーセットが1ミリもズレずに施工が終わることなんていうのはほとんどありません。
建物を建てる時には必ず墨出しを行っていただき気持ちのいい仕事を協力して完工させたいものです。
まとめ
墨出しは鉄骨請負業者が行うわけではありませんが墨出しをちゃんと行ってもらうことで図面通りの建物を建てることができます。
墨出しの種類は鉄骨工事に関しては「芯墨」と「逃げ墨」を覚えておけば特に問題は無いでしょう。
墨出しは建物を建てる上ではとても重要な役割を果たします。
この墨出し一つで建物が歪んだり、施工不良などが起こったりもします。
墨出しを基準に工事というのは進んでいくことを頭に入れて工事を行っていきたいものです。
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