鉄骨工事には様々な道具を使って建物を建てていきます。
鳶職人が使う工具だけでも沢山存在します。
今日は建ち起こしで使う下げ振りを解説します。
下げ振りとは
鉄骨をある程度建てていくとボルトの本締め作業を行います。
その前に行うのが建ち起こしです。
建ち起こしは建物が傾いていないかを測り、もしも倒れが分かった場合にはワイヤーとレバーブロックで建物を引っぱって傾きを矯正します。
この建ち起こしでは建設会社がトランシットと呼ばれる機械で確認を行い倒れを矯正してもらいます。
トランシットでは建設会社の監督に設置や確認を行ってもらわないといけないのでとても時間がかかってしまいます。
その点下げ振りで鉛直が確認できれば鳶職人の作業効率としても良くどんどん次の作業に移ることができます。
鉄骨を建てる際に建設会社の現場所長に確認をして建ち起こしはどのような方法で確認するかを事前に打ち合わせしておきましょう。
下げ振りの使い方
下げ振りは本体から紐が出ており巻上式になっています。
本体には磁石が付いており、その磁石を柱の一番高い位置にくっつけて紐を垂らします。
ベースプレートの少し上くらいまで紐を垂らしたら紐の先に錘(おもり)を付けます。
柱から紐までの距離は下げ振りの種類によって異なっており、100mmや150mmなどがあり下げ振りの種類によって異なります。
下げ振りの錘(おもり)の部分の紐と鉄骨の高さを差し金やスケールで測って距離を確認します。
この距離で柱の倒れている方向を確認して建ち起こしを行っていきます。
建ち起こしの許容範囲は建物の高さに対して1000分の1になっています。
下げ振りのデメリットと裏技
工事現場というのは必ず屋外になります。
その点トランシットで建ちを見る場合には風の影響を受けることは無いが少し時間がかかってしまいます。
昔の人は鉛が揺れてちゃんとした数値が分からない場合にはバケツに水を汲んできて錘を水につけて錘の揺れを抑えていました。
まとめ
下げ振りは建物柱が垂直に建っているかを確認する道具です。
中小案件ではトランシットで建ち起こしを行うより下げ振りで行うことが良くあります。
下げ振りと使うことで建ち起こし作業の時間を短縮でき簡易的に柱の鉛直を確認することができます。
下げ振りの柱から糸までの距離は様々な距離の下げ振りが存在します。
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