鉄骨工事では工事をスムーズに行う為に便利な道具や治具などが常に開発されています。
全国的に便利だとわかった場合にはすぐに広まり工事では使用するのが当たり前になります。
今回はアンカーボルトとベースプレート部分に使用する親子フィラーを解説していきます。
親子フィラーとは
鉄骨工事では通常アンカーボルトとアンカー孔の許容差は+-5㎜で定められています。
これはベースプレートの座金とナットの定着を良くする為に最大で5mmとされています。
柱脚工事を行う上でアンカーフレームを設置してもちろんピッタリの位置にセットします。
しかしコンクリートを流し込んだ時点でとても大きなチカラがかかってしまいアンカーボルトの位置がズレてしまうことが多々起こります。
アンカーボルトをアンカー孔が合わない場合には作り直したり、コンクリートを斫って台直しを行わなければいけません。
これは工期にとても大きく影響を及ぼすと共に工事費用も莫大にかかってしまいます。
そんなときにはアンカー孔を大きくして親子フィラーを入れることで多少のズレを許容できます。
親子フィラーは親フィラーと子フィラーから出来ており中心から孔をズラして作ってあり、回しながらアンカーの隙間に入れていきます。
アンカーに対して許容差が決められており5mm以上の余裕を持って孔明けを行うことができます。
親子フィラーを使わない場合は?
中小案件では親子フィラーを使うことはほとんどありません。
アンカー実測には鉄工所より人を2名ほど現場に派遣して実測を行いアンカー位置を計測してもらいます。
鉄工所も製作を進めていく中でアンカー位置を実測できなければ完成品として工場外などに移動することができません。
ある程度の中小案件では製作工程と現場が平行して動く為日程を打ち合わせして調整しながら動くことができます。
アンカーボルトの量が多い場合
ある程度大きな案件になってくるとアンカーボルトの量もとても多くなってしまいます。
在来工法になると鉄工所が柱脚工事を行うのでアンカーセットを行ったあとに実測を行うのが主流になっています。
(在来工法とは日本古くから伝わる建築技術のこと)
実測を行えない場合などに活躍するのが親子フィラーです。
これを使うことでアンカー孔を大きくしてアンカーボルトが入らなくて柱が建たないといったことを防ぎます。
このように親子フィラーというのは工事をスムーズに完工させる為に必要な場合のみに使用する治具材なのです。
親子フィラーも一種の商品なのである程度金額がかかります。
量が多くなるとその分金額も増していく為二次的要素としてこのような便利なものがあると覚えておきましょう。
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