鉄骨の仕口(しぐち)、ブラケットとは?

鉄骨工事では鉄工所に製作を行ってもらい現場へ搬入して建てていくといった作業をします。

鉄工所での加工がもっとも時間のかかる加工で、梁のジョイントになる部分です。

今回は仕口(しぐち)、ブラケットを解説してきます。

目次

仕口(しぐち)、ブラケットとは

仕口、ブラケットとは柱から600mm~800mmほど突き出している大梁を繋ぐ為の梁のことを言います。

多方面からくる梁を交差させる際に柱で梁を受けなければなりません、その際には柱から仕口、ブラケットも設けて梁をジョイントします。

仕口、ブラケットがある構造体をラーメン構造といい、スプライスプレートでジョイントを行い建てていく際に設けられるH形鋼です。

仕口、ブラケットは片方が開先、スカラップ加工を行い柱に溶接を行います。

もう片方は梁をジョイントするためにウェブとフランジに穴あけを行います。

開先、スカラップ加工がある方は柱のコアと呼ばれる部分に溶接を行います。

開先があるのでもちろん完全溶け込み溶接を行わないといけません。

仕口、ブラケット部分は鉄骨の中でも梁を支える部分でチカラが一番かかる部分です。

鉄工所の製作はまずは仕口、ブラケットの部分を加工していきます。

この工程が鉄工所は一番時間がかかる作業なのです。

ブラケット工法とノンブラケット工法

ブラケット工法は今回解説している柱から仕口を出して、梁をスプライスプレートでジョイントを行い、鉄骨を建てていく工法です。

ノンブラケット工法は仕口を設けずに現場で梁を溶接して鉄骨を組み立てていく工法です。

ブラケット工法のメリット、デメリット

ブラケット工法は工場で溶接を行い、現場では鳶工がボルトでジョイントして鉄骨を建てていくので作業性としては人数も少なく、建てていくスピードが速いのでこの工法が一般的です。

ブラケット工法は柱から仕口が出ている為、トラックに積み込む際にあまり多く詰めないというデメリットがあります。

ノンブラケット工法のメリット、デメリット

ノンブラケット工法は柱に仕口が付いていない為、輸送トラックに多く積み込むことができます。

鉄工所でも時間のかかる仕口の溶接が無い為工場の加工賃を抑えることができます。

溶接をしてジョイントすることでボルト量も少なくてすみます。

一方現場溶接で梁をジョイントしなければならない為、建方に時間がかかり、溶接できる人も限られているので他の現場に出ている際には人員の確保が困難になる可能性があるのがデメリットです。

現在はブラケット工法が一般的

鉄工所の工場ではクレーンが何台もあったり、溶接できる人が何人もいたりするので手分けして溶接作業ができます。

現場で溶接を行うとその現場でも検査が必要になったり、人員確保などの問題が生じたりするので輸送コストが異常にかかる離島などの物件ではないかぎりはブラケット工法で図面を製作します。

基本的には現場で作業するのは工場で作業するのの2倍の量労と人件費、作業効率がかかると覚えておくけば、なるべく鉄工所の工場で加工を行い、現場は鳶工がボルトでジョイントしていく作業にする方が効率がいいのです。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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