鉄骨工事では安全仮設材を取り付けていき鉄骨を建てていきます。
今回はそんな安全仮設の水平ネットを紹介していきます。
水平ネットとは
鉄骨工事では鳶職人が高所で作業を行う為、どうしても落下の危険が伴います。
ボルトなどを差し込む場合などは落下の危険性があり人が落ちても大丈夫なように水平ネットを鉄骨全体に巡らせます。
鳶職人は安全帯を使用して落下しても大丈夫なようにしなければなりません。
しかし、鳶職人も人間です。
どうしても安全帯を忘れて作業に没頭してしまうことだってあります。
安全仮設はそんなときに落下してもケガの無いように必ずつけなければなりません。
この水平ネットは安全ネットやラッセルネットと呼ぶこともあり、現場監督によって呼びかたが違います。
水平ネットの取り付け方
水平ネットは通常梁の下フランジ部分にネットフックと呼ばれる金具が等間隔で付けられています。
そのネットフックに水平ネットの網目に引っかけて取り付けていきます。
鉄骨工事が始めるとまずは地上で梁にスプライスをセットしたり、親綱、スタンションなどを取り付けていきます。
その際に一緒に水平ネットも取り付けていきます。
しかし、地面のスペースが狭い場合には水平ネットを取り付けてクレーンで上げた場合に引っかかる可能性が生じる場合にはクレーンで水平ネットだけを吊り上げて鉄骨に取り付けます。
あと風が強い場合にはネットがあると風の影響で荷物が回ってしまい作業出来なくなってしまうのでそんな場合にも後付けで水平ネットを付けていきます。
水平ネットは梁の四方間隔で少し大きめを用意してあります。
小さいとネットが張れずに外して大きいものを取り付ければならない為、とても手間がかかります。
水平ネットは少し撓ませてネットフックにかけていきます。
撓み過ぎも良くないので水平ネットが大きい場合にはネットフックにかける部分を多くして撓みを解消します。
ネットフックが無い場合には簡易的にH形鋼のフランジ部分にネットクランプを取り付けて水平ネットを取り付けていきます。
このネットクランプは現場で取り付けなければいけない為、手間がかかり工程に支障をきたす場合があります。
水平ネットを取り払う際にも取り外し手間が生じる為、工場でネットフックを取り付けて現場で作業を行うことが効率化できます。
水平ネットは落下防止以外の役目もある
水平ネットはもちろん落下防止が最大の目的です。
鳶職人は水平ネットに降りて作業が出来るといったメリットもあります。
足場が不安定で悪いため基本的には水平ネットに降りることはありませんが、下フランジのボルトを締める場合や、ボルトの塗装などは目視では見えないので水平ネットに一時的に降りて作業することもあります。
特に塗装の塗りムラは下から見てとても汚く見える為、塗りムラを無くすためにも水平ネットに降りて作業を行うこともできます。
水平ネットに降りるのは足場も良くないので危険が伴うので必ず安全帯を装着してから行うようにしましょう。
まとめ
水平ネットは安全仮設材でも建設会社に手配を掛けてもらう項目の一つとして必ず必要になります。
水平ネットは人の命を守る上では欠かせない安全仮設設備です。
鉄骨工事というのは高所での作業になり、必ず落下の危険が付きまとってきます。
水平ネットがあることで災害を防ぐことができ、安全、安心して作業をおこなうことができます。
建方前にしっかり数量を出して手配してもらうようにしましょう。
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