鉄骨工事クレーン作業の玉掛け(たまかけ)とは

鉄骨工事を行う上でクレーン作業は必ず必要になります。

クレーン作業だけでも専門用語が沢山あります。

特に鉄骨という重量物を持ち上げるのは危険が伴います。

今回は玉掛けとは何なのかを解説していきます。

目次

玉掛け(たまかけ)とは

玉掛けとはクレーン作業で荷物を吊り上げる作業のことをいいます。

荷物にワイヤーを通したり、クレーンのフックにワイヤを掛けたりする作業のことです。

この玉掛けは付ける作業だけではなく荷物を移動させたらワイヤーを外さないといけません。

この外す作業も含んで玉掛けというふうにようんでいます。

玉掛けは資格が必要

玉掛けは一歩間違えると荷物が落下して人に当たったりする可能性もありとても危険が伴う作業になる為資格が必要になります。

資格は2日間で特別教育と技能講習を受講して資格証を発行してもらうことで玉掛け免許を取得することができます。

玉掛けの資格は受講者の約95%が受かると言われています。

講習をしっかり聞いて、技能講習も言われた通りに行えればほとんどの人が受かる為、難易度は全く高くありません。

鉄骨工事での玉掛け

玉掛け作業は工場や倉庫で行う際にはワイヤーロープやベルトスリングといったものを使用するのが一般的です。

ワイヤーロープは金属の線を捻じり合わせてある強度が強いロープです。
ベルトスリングは合成繊維で作られてた丈夫なベルト状のロープです。

ワイヤーロープやベルトスリングは欠損があるとに吊り上げた際に破断して荷物が落下する可能性もある為、鉄骨工事の現場ではチェーンスリングを使用することが多いです。

玉掛けの作業を行う人は鉄骨を吊り上げる際のバランスを考えながら玉掛けを行わないといけないし、建方作業が遅くならないようにしないといけない為、経験と勘が必要になります。

クレーンのオペレーターとの連携も図って合図なども迅速に出さないといけない為、鉄骨工事現場での玉掛け作業はけっこう大変な作業なのです。

地切り(じぎり)の確認

鉄骨工事でクレーン作業を行う際にはもちろん安全作業を行わないといけません。

細かな危険は沢山ありますが一番危険が伴うのは吊り荷がバランスを崩して落下して人に落ちてしまうことです。

吊り荷を地面から離す作業を地切り(じぎり)と言います。

地切りの際には30cm浮かせて3秒待って吊り荷のバランスが保てているかを確認して上空に吊り上げて作業を行うようにしないといけません。

もちろん吊り荷の近くに近づかないように3m離れないといけません。

これを3・3・3運動(さんさんさんうんどう)と言います。

玉掛けの由来

荷物を吊るのになぜ玉掛けなのかは当然疑問思いますよね?

玉掛けの由来は諸説あります。

由来1

クレーンのフックが勾玉(まがたま)と呼ばれる装飾用の鍵型をしている石に似ておりその玉に引っかける作業なので玉掛けとなった

由来2

掛け軸などを掛ける際に琥珀(こはく)や瑪瑙(めのう)といった宝石を総称して玉と言い大事なものを掛ける際にはバランスが必要で難しい為玉掛けとなった

由来3

ロープの部分がアイにみえてアイ=玉と称して、そのアイ部分をクレーンのフックに掛けることから玉掛けとなった

由来4

「たま」というのは銃弾や大砲でも大切なものは「たま」といい、任侠映画などで命のこと「たま」と言ったりします。「タマァ取ったる」なんてことばもあり、命の危険な作業なので玉掛けとなった

由来5

昔は玉のような丸いものを吊り上げたり、括り付けたりするのにとても技術が必要だった。簡単には出来ないので技術が必要な作業なので玉掛けとなった

まとめ

重量物を扱う上ではクレーンを用いらないと人力では移動させることは出来ません。

その際には必ず玉掛け作業が付いて回ります。

資格がない人はクレーン作業、玉掛け作業を行ってはいけないので、玉掛けが出来る人は限られてきます。

玉掛け作業はそこまで難しくないからこそ安全に対する意識が薄れてしまします。

しかし一歩間違えば人命に関わるとても大切な作業です。

玉掛けということばは鉄骨工事を行っていれば必ず出てくるワードです。

玉掛けという言葉を覚えて工事現場の会話を成立させるようにしましょう。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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