鉄骨工事のEV下地とは

鉄骨工事では見積書などにEV下地という言葉が出てくることがあります。

EVとはELEVATOR(エレベーター)のEとVと取って略してあります。

EV下地はイーブイ下地とは呼ばずにエレベーター下地と呼ぶことが多いです。

今回はEV下地とはどのようなものかを解説していきます。

目次

EV下地(エレベーターしたじ)とは

建物で平屋であればエレベーターは設置する必要はありませんがフロア階数が多くなるとエレベーター部分が構造図などに出てきます。

エレベーター部分にはエレベーターを設置するために鉄骨の下地が必要になります。

厳密に言うとエレベーターが動く為のレール支持などの下地を製作・施工する必要があるのです。

エレベーター下地はエレベーターの角四隅に角パイプなどの柱を建てて梁で繋いでいきます。

これは通常の構造物でも同じことです。

建物内部のエレベーター下地になるとエレベーターを設置する部分に間柱のようなH形鋼を数本建てないといけません。

これはエレベーターの昇降を支える為のガイドレールやモーター、制御装置などの危機を支持する為に設けられる柱です。

鉄骨工事EV下地(エレベーター下地)の見積方法

EV下地は四隅の角パイプなどの柱は構造図に出てくるので数量が分かりやすく見積もりに反映させることが出来ますがEV下地は構造図に載っていないことが多く、見落としがちです。

下地のH形鋼は意匠図に表記はあるがサイズや詳細な長さが入っておらず、見積りに反映させ忘れて後に建設会社と打ち合わせでトラブルになったというケースも耳にしたことがあります。

見積り時点ではある程度の長さ重量を見積書に反映させておきましょう。

EV下地のH形鋼に関しては鉄骨加工を行ううえで必ず製作をしなければいけない部分となるのでサイズや長さなどは施工図を作成時点で打ち合わせが必要となります。

EV下地(エレベーターしたじ)の三方枠(さんぽうわく)とは

エレベーターの乗降ドア部分は三方枠と呼ばれる左右と上部の三方向のみだけある枠が設置されます。

三方枠の役割はエレベーターの開閉によって生じる振動や衝撃を吸収するような役割を果たします。

エレベーター乗降するドアの三方枠部分にも鉄骨で下地が必要です。

アングルで製作することが多いですが角パイプやC形鋼で製作することもあります。

EV下地(エレベーターしたじ)の敷居受け(しきいうけ)とは

エレベーターの乗降ドアにはエレベーターのドアの動く場所が一定になるように敷居受け(しきいうけ)を設置します。

乗降の際の足元の部分が敷居受けです。

ここにも同様にアングルや角パイプ、C形鋼などで下地が必要になってきます。

まとめ

図面EVと書いてあるときにはELEVATOR(エレベーター)の部分EとVを取ってあるだけです。

構造図などに記載がある部分ではなく、意匠図などに記載があり、構造体以外にも鉄骨が付きます。

EV下地には柱以外にH形鋼などの柱を建てることが多く、三方枠(さんぽうわく)や敷居受け(しきいうけ)などの下地も鉄骨で必要となります。

部材などの記載が無い場合には想定で見積りに反映させることが後々に追加金額などで揉めることがありません。

エレベーター下地といってもエレベーターのメーカーや大きさ、種類などによっても部材が異なってきますのでしっかり打ち合わせをしましょう。

下地というのは普段見ることが無く、身近には感じませんが鉄骨工事を行う上では必ず必要になってくる項目になるので覚えておきましょう。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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