鉄骨工事では現場で実際に柱を建てて梁を繋ぐ作業を建方(たてかた)といいます。
今回は建方(たてかた)を詳しく解説していきます。
建方(たてかた)とは
鉄骨を工場で制作して、現場に柱や梁を搬入して建てていきます。
その際には高い所に昇って実際に作業してく鳶職人にお願いします。
もちろん鉄骨というのは重量物なので荷下ろしや建方作業にはクレーンが必要となります。
基礎工事が終わって何も無いところに実際に建物が建っていく最初の工程なので建築現場で立柱式(りっちゅうしき)を行う会社も多いです。
立柱式とは1本目の柱を建てた際に安全祈願としてお清めの酒と米と塩をまいてお祈りみんなで行います。
作業が長い間中断してしまうと工程に影響するのであまり長い時間はしないで簡易的に済ませることが多いです。
建方時の鳶職人の作業
建方時には鳶職人が数人現場に入ってもらい様々な作業を行ってもらいます。
- 1,鉄骨搬入してからの柱への作業
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まずは鉄骨搬入が終わると建てられる状態にするために柱には上り下りするためのライズタラップ、またはイージークライマー、スタンションなどを取り付けていきます。
- 2、鉄骨搬入してからの梁への作業
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梁には組み立てを行うまえにスプライスプレートを建てられるように取り付けて水平ネット、スタンション、親綱などの安全仮設材を取り付けていきます。
この作業を行ってから実際に柱を建てていき、柱の上に人が昇って高い場所で梁を組んでいきます。
柱や梁の上に昇って実際に組み立てていく人はボルトを差し込んで建方を行っていきます。
地上では図面を把握して順番良く吊り荷を上げていく番頭さんが指示をだしていきます。
建方と一緒に覚えておく言葉
建方と同様に「建入れ」「建込み」「建入れ直し」などの言葉があります。
- 建入れ⇒地面に対して垂直に立つ柱などの垂直度があっているかの用語
- 建込み⇒実際に建方を行って組み立てていく作業の用語
- 建入れ直し⇒柱などの倒れなどをワイヤーなどで引っ張って矯正する作業の用語(建起こしなどともいう)
建入れ、建込みは総称で建方と呼ばれることが多いのですが建入れ直しは「建ちを見る」などの用語でしっかり矯正を行うことが必要となります。
鉄骨は最初の工程なのでこの段階でズレなどが生じていると胴縁や屋根を貼る際に支障をきたす場合があります。
建て入れ直しは特にしっかりやっておく必要があります。
建方は仮ボルトで行う
建方はまずは仮ボルトで建てていきます。
建入れ直しなどを行った際に鉄骨の歪みを修正します。
高力ボルトを指しこんで建入れ直しを行った場合に本ボルトのせん断応力やねじり応力にチカラがかかり傷んでしまい本来の強度が保てない可能性がある為です。
建入れ直しを行ったあとに仮ボルトから本ボルトへ入れ替えて一次締め、二次締めといった作業に取り掛かっていきます。
胴縁などの地組、取付
胴縁はピース数が多く一つ、一つを取り付けていくにはかなりの時間がかかってしまいます。
そこである程度、地面で組んでクレーンで上げた方が効率も良く一度に沢山の胴縁を取り付けることができます。
まとめ
今回は鉄骨の建方について解説していきました。
鳶職人は1ヶ所、1ヶ所、現場が違えば朝の起床時間も変わります。
建物も全く同じな建物は存在しません。
現場の敷地が狭い場合などは順番良く建てていかないと置き場が無くなったり、工程に支障をきたしてしまう可能性だってあります。
しかも重量物を扱いますし、特に高所での作業になるので落下の危険も伴います。
建方と一言でいっても様々な作業工程があることを覚えておきましょう。
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