溶接を行う際のルートギャップとは

鉄骨工事には溶接というのは欠かせない作業の一つになります。

溶接といっても溶接作業には手順や段取りをしっかり行わないとすぐに溶接不良を起こしてしまします。

今回は溶接前のルートギャップについて解説していきます。

目次

ルートギャップとは

鋼材同士を溶接でくっつける際にフルペネ溶接(完全溶け込み溶接)を行う箇所にはルートギャップと呼ばれる隙間を空けて溶接を行います。

その隙間のことをルートギャップと呼びます。

ルートギャップは別名ルート間隔(るーとかんかく)と呼んだりもします。

このルートギャップがあることで溶剤が鋼材間隔の間に入り込みしっかり溶け込んで溶接することができます。

柱の溶接は基本的に全てフルペネ溶接(完全溶け込み溶接)なのでこのルートギャップを設けて溶接を行います。

鉄骨工事においてはレ形開先を使用して溶接を行うことがほとんどです。

ルートギャップの決め方

ルートギャップには基本的に設計図面などに記載されていることが多く、溶接基準図と言わるもので進めていきます。

各鉄工所でルートギャップは6ミリにしたり7ミリにしたりと溶接のやりやすさや溶接によって鋼材の縮みなどを考慮して設定して溶接を行っていきます。

鋼材には溶接によって縮みが生じてしまい、寸法が短くなってしまう場合などがあるので、寸法が違う製品になってしまうと元も子もなくなるのでルートギャップの設け方も技術が必要になります。

このルートギャップは数ミリ程度なので変わっても1ミリや2ミリ程度の変え方になります。

建築工事の標準仕様書JASS6によると許容差は-2~-3ミリ~プラス目に関しては∞記載がされています。
マイナスには許容差がありますがプラスには許容差は無いようです。

ルートギャップがあまりにも広いと溶接量が多くなりすぎて溶接手間や溶接ワイヤーなどがかかりすぎてしまう為、コスト面から考えても適正な間隔で行うことが大切になります。

ルートギャップを測定する

ルート間隔測定ゲージというものが販売されており、測定することができます。

仮組検査(かりぐみけんさ)と呼ばれる検査を実施して溶接前の寸法やルートギャップ、開先角度などを測ります。

近年では仮組検査はあまりやることは無くなりましたが製品検査時に仮組も併せて行うこともあります。

その場合には仮組している製品と溶接を終えた製品を二つ用意して検査を行ってもらいます。

まとめ

ルートギャップというのはフルペネ溶接(完全溶け込み溶接)を行う鋼材同士の隙間のことを言います。

ルートギャップをルート間隔と呼ぶ人もいる為、どちらの用語でも覚えておくようにしましょう。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

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