鉄骨工事に使うスプライスプレートとは

鉄骨工事をしていると同じプレートなのにどこに使われるかで呼び名が変わってきます。

今回はプレート類で多く使われるスプライスプレートについて解説していきます。

目次

スプライスプレートとは

スプライスプレートとは建築鉄骨では大梁を接合する場合に使われる接合(ジョイント)用の板のことです。

基本的には剛接合の場合に使われるプレートです。

スプライスプレートはSPLの表記されることが多いです。

Splice Plate=添え板や継ぎ目板などの意味で使われます。

スプライスプレート(SPL)とガセットプレート(GPL)の違い

スプライスプレートは建築では寸法切りに切ってあり、規則的に並んだ穴位置がありショットブラスト処理を行っていれば基本的にはスプライスプレートになります

スプライスプレートはウエブ面とフランジ面を挟み込んでH形鋼同士をジョイントします。

一方ガセットプレートは小梁などをジョイントする場合に溶接するプレートで基本的にはウェブ面にのみジョイントする板になります。

ガセットプレートは寸法切りで板を切ることが無く、型切りに切ってあることがほとんどです。

スプライスプレートとガセットプレートはどちらも摩擦面処理(ショットブラスト)が必要になります。(摩擦係数は0.45以上)

切板(きりいた)の呼び方

寸法切(すんぽうぎり)型切(かたぎり)
正方形や長方形に切る切板の事四角形ではない変わった形に切る切板の事

鉄骨建方時にはスプライスプレートをセットする

鉄骨を建てていく際には大梁にスプライスプレートをあらかじめ付けておきます。

柱を建てたあとに大梁をジョイントしていく際にはスプライスプレートが必ず必要になります。

このスプライスプレートにハイテンションボルトを入れて梁を繋いでいきます。

スプライスプレートは建方時に必要な為鉄工所には建方数日前に納入していれば問題ありません。

スプライス部分の呼び方

スプライスのジョイント部分をラーメンと呼ぶ人もいます。

これはススプライスをジョイントして建てていく構造のことをラーメン構造と呼ぶ為、年配の方たちなどは「ラーメン部分」と言った呼び方をする人がいるのです。

この大梁をラーメン梁と呼ぶ人はこのジョイント部分のことを「ラーメン部分」と呼ぶ人が多いようです。

スプライスプレートの丁番

大型の鉄骨工事になってくるとスプライスプレートもとても大きくなります。

大梁をジョイントしていく際にウェブ面のスプライスプレートはずらしておかないと梁を横からはめ込んには邪魔になってしまいます。

建方時にはウェブ面のスプライスプレートは引っ込めた状態でセットしておいて後で正規に取り付けてていくのです。

その際にスプライスが重くなると施工性が悪くなるためスプライスに丁番と付けることがあります。

この丁番を付けることでドアの開閉のようにスプライスがセットできる為、鳶職人の施工性が良くなり工期短縮にも繋がります。

どうしても鉄工所での丁番溶接手間とが掛かってしまい溶接手間や金銭面に関わってくるため中小物件の鉄骨工事では丁番はあまり使いません。

あくまでも大型案件の鉄骨工事ではこの丁番を使用するケースが増えています。

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この記事を書いた人

鉄鋼商社に勤務する営業マン。
鉄骨工事などを請け負い鋼材を扱って16年目。
鋼材を扱うと専門用語が多すぎて何をいっているかがわからなかった新人時代があり、そんな素人でもわかりやすいように解説します。
誰でもわかりやすく鉄骨工事のことをサクッと調べられるようなブログを運営していきます。

コメント

コメント一覧 (4件)

  • 摩擦接合のためにもちいられる赤さび処理と、ブラスト処理の、処理範囲の違いについて:溶融亜鉛メッキを施した鉄骨の接合部のブラスト処理は、スプライスプレートの範囲よりも5mm程度少な目と理解しております。一方、赤さび処理の場合は、どのような範囲の基準が定められていますか?該当指針など、ご教示いただけると幸いです。

    • 石岡佳奈様

      コメントありがとうございます。

      摩擦接合部のブラスト処理と塗装の範囲はスプライスプレートから何ミリといった基準は無いようです。

      ボルトの端から40ミリにスプライスプレートの端が来るのでその部分を摩擦面処理を行って接合します。

      ちなみに厳密にいうとボルトのナットの範囲を摩擦係数を確保していればいいそうです。

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